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THE STARRY RIFT

ヴィジュアル系バンドや女性・男性アイドルについて気ままに駄弁るブログです。

男性にもオススメしたいヴィジュアル系バンド10選。

お久しぶりの更新です。久々にヴィジュアル系の記事を書こうと思います。今回は私が勝手に選んだ、男性にもオススメしたいヴィジュアル系バンドをあげさせていただいます。(順位は付けられないので掲載順はランダムです)

その前に……。

そもそも「ヴィジュアル系」とはなんぞや?という定義は、実はちょっと難しいのですよね。

私はバンギャルになる前は「ヴィジュアル系」とは一つの音楽ジャンルのことなのだと思っていたのですが、いざバンギャルになってみると、この界隈の音楽性の広がりが多岐に渡っていてちょっとびっくりしました。メタルやハードコアはもちろんのこと、UKロックやキラキラしたポップス、ロキノン的な感じ、HIPHOP的なアプローチ、電子音楽、歌謡曲、エトセトラエトセトラ。様々な要素を取り込み独自の色を持つバンドがたくさんあるのです。あるいは、音楽以外のアプローチを盛り込むバンドもいます。

そういう雰囲気があるからこそ、ゴールデンボンバーというバンドが生まれたのかもしれないですね。個人的に考えているのは、ゴールデンボンバーを生み出す因子を撒いたのはMALICE MIZERなのではないかということです。ゴシックで美麗な世界を追求し、後のバンドにも大きな影響を与えたマリスが作り出した様式美(世界観の表現のためなら必ずしも楽器を弾く必要はない)に対して、(意識的にか無意識的にかはわからないけど)オマージュとアンチテーゼを内包した表現をしてみせたのがPsycho le Cemuで、サイコの人気と共に浸透したさらに自由な表現形式(ヴィジュアル系の表現を前提としつつも笑いの要素さえ組み込んだもの)の行き着いた先がゴールデンボンバーであるような気がするのですよ(テキトー)。もちろん、ここに挙げたバンドだけでなく、様々なバンドの表現が影響し合って今のヴィジュアル系の世界が出来上がったのはいうまでもないわけですが。

ヴィジュアル系とは「音楽」「衣装」「化粧」などの相乗効果でバンドの世界観を現出させる表現様式のことであり、逆に言えば、ある程度のお約束を踏まえておけば、表現者の好きな世界を奏でられるジャンルだと言えるのかもしれません。そう考えると、例えば、昔のポルノ映画やギャルゲーとかエロゲ―で、お約束さえカバーしておけば作家性の高いコアな作品も作ることができる!という現象と似ているような気がします。

そんなわけで、長々と書いてしまいましたが、ヴィジュアル系には様々な音楽性を持つ面白いバンドがたくさんいるということです! けれども、女性ファンが多くて閉塞性もあり(他ジャンルとの交流が少ない)、男性が触れる機会は少ないと思われます。それが勿体ないなあと感じることがあり、今回は男性が聴いても好きになるのではないかなーというバンドを勝手に選んで記事を書いてみることにしました。

 

 

NOCTURNAL BLOODLUST(のくたーなる ぶらっどらすと)

実は、最近初めて聞きました(恥)

そうしたら意外な音楽性にびっくり。雑誌等では見かけていて、ヴィジュアルが割と「今どきのヴィジュアル系」(という言葉も個人的には好きじゃないのだけど)という雰囲気で、特に食指が動かなかったのですよね。でも、たまたまNOCTURNAL BLOODLUSTの新曲リリース時期にCD屋さんへ行く機会があり、試聴してみたシングル曲に「おお!」と驚愕。シングルよりもアルバムを聴きこみたい派のため、とりあえずNOCTURNAL BLOODLUSTの棚からアルバムを一つ抜き取ってレジへ向かいました。

彼らの音楽を聴いて感じたのは「今どきの邦楽ハードコアっぽい!」という印象でした*1。いや、上にも書いたとおり、こういう言葉は好きではないし、こういう言葉で括れるとは思わないのですが、その反面、わかりやすい言葉だとも思うので暫定的に使わせてください。

ヴィジュアル系にもハードコア的なアプローチをするバンドはいるのですが、やはり、最新の邦楽ハードコア・シーンの傾向とはちょっと違う雰囲気だと思うのですよ。ハードコアのシーンにはそれほど詳しくないので「間違ってるよ!」と言われるかもしれませんが、ヴィジュアル系のハードコアの轟音にはねっとり纏わりつくようなくどさがある感じで、逆に邦楽ハードコア・シーンの方では、轟音でありつつも独特の爽快感で走り抜けるイメージがあるのですよ。ボーカルの声質も、ヴィジュアル系は癖の強い声、邦楽ハードロックではクリアで爽快な声が多いような気もする。

NOCTURNAL BLOODLUSTの音楽はヴィジュアル系よりも邦楽ハードコアに近いんじゃないかなと感じたのです。轟音やシャウトと共存する爽快感。でも、歌詞はヴィジュアル系な雰囲気バリバリのじっとりと纏わりつくような闇とか退廃っぽい感じ。その辺の絶妙なバランスがヴィジュアル系バンド愛好家の耳には新しく聞こえるような気がします。実際、彼らはジャンルを越境してきたバンドらしいですし。ごめん、まだ詳しくないからこの辺りの経緯がよくわからない。

というわけで、邦楽ハードコア好きな男性にNOCTURNAL BLOODLUSTはオススメ! 邦楽ハードコアファンにとっても新しい聴き味になるのではないでしょうか。

オススメ音源はアルバム「THE OMNIGOD」。とにかく轟音で手数が多く、シャウト多用で、ダークサイドな歌詞も楽しい!(しっとりとメロディアスな曲も収録されているけど) というか、私、まだNOCTURNAL BLOODLUSTについてはこのアルバムしか入手していないので、これからちゃんと勉強します……。

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 ↑ 公式動画貼ってみました。悪魔的な雰囲気が素敵。

 

KYOKUTOU GIRL FRIEND(きょくとう がーる ふれんど)

解散してしまったバンドなのですが、とにかくカッコいい! 是非、男性にも聞いて頂きたいバンドです。

彼らのスタイルを一言で言えば、「ヤンキーロック」になるのかなあ。最近、ロックバンドが文学青年のものになりつつあるような雰囲気の中で、それを再びヤンキーのものとして奪い返すようなアプローチをしたバンドだと思います。

現代でヤンキー的なロックといえば一番に氣志團が思い浮かぶと思いますが、KYOKUTOU GIRL FRIENDは氣志團のアプローチともちょっと違っていて、時代や環境に傷付けられた感覚と、それゆえに世の中に反抗したり、若さゆえの暴走に傾いたり、刹那的に右翼的思想・自殺・SM的なものに引き寄せられたりするようなヒリヒリした空気感を表現したバンドです。そういう意味では厳密にはヤンキーとはちょっと違うのかな。でも、彼らの反抗的で路地裏に潜んでいるような空気感は、私の中では尾崎豊さんの「15の夜」的な衝動性をヴィジュアル系的な世界観とメソッドでリライトしたバンドというイメージがあるので、だからヤンキーロックという言葉を使ったのですが……コトバ、ムツカシイヨ。

KYOKUTOU GIRL FRIENDの曲は、強いようで危うく刹那的な衝動に満ちた歌詞に、パンキッシュな音楽が非常にマッチしています。激情的な声とちょっと懐かしさも感じる情感たっぷりのギター、ゴリッとしたの低音のベース、鋭いドラムが相まってとても格好いいのです。

オススメ音源その1はラストシングルの副作用。表題曲の「副作用」は、流されるままの毎日に反抗する気持ちを忘れることができず、器用に生きられない愚直な男の子の表現が、音と歌詞ともに秀逸です。カップリングの「プラットホーム」は「プラットホーム 飛び込めない 線路を見つめるだけ」と繰り返すところもカッコいいし、「告別」や「乱脈」では刹那的に生きる感覚が音と歌詞で痛々しく伝わってくるのです。

オススメその2はライブアルバムの「実録ハードコア+サイレンス」。彼らのライブを収録したアルバムです。無修正。ゆえに危ういところもあると思いますが、そんなこと気にならないくらいバンドの衝動と勢いが伝わってくる、すごくカッコいいアルバムです。

こういう、体制に抗うようなロックに惹かれる、あるいはそういう歌を必要とする男の子、どこかにいるんじゃないのかなあ。

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↑ 公式動画が見つからなかったので通販できるところのリンクをとりあえず貼ってみました。 倫堕さんかっこいいなあ。

 

cali≠gari(かりがり)

比較的男性ファンも多いバンドかも? なんと形容していいのか説明が難しいバンドでもあります。ヴィジュアル系の作り出した歪み、時代の狭間で生まれた奇形児のようなバンド。それが活動休止やソロ活動等を経てヴァージョンアップし、洗練されたのが今のcali≠gariなのかもしれません。けれども、奇妙で捩れた感覚は今も健在であり、その癖の強い音には中毒性があります。

主に作詞・作曲をしているのはボーカルの石井秀仁さんとギターの桜井青さんなのですが、二人の音楽性はみごとにバラバラ。秀仁さんはニューウェーブとか電子系な音楽+高度な(わけのわからん?)歌詞の楽曲、青さんは80~90年代のロックとかパンクとか歌謡曲とかの音楽+人生のほろ苦い情景orぶっ壊れた歌詞の楽曲、というイメージ。あくまでイメージ。

彼らは「バンドやろうぜ!」みたいに熱いハートで駆け出すような雰囲気は(おそらく)ほとんどなく、曲作りもデータのやりとりだけで進めているようですし、あまり面と向かい合わずにいる方がバンド運営がうまくいくというのがメンバーの共通認識としてあるようです。でも、お互いのセンスや能力については結構信頼しているらしく(たぶん)、なんだかんだと活動は軌道に乗り続け、彼らのセンスや技術が組み合わさった音源やライブのパフォーマンスやアーティスト写真等バンドの見せ方にはいつも「スゲーな」と私は感嘆するばかりなのです。

オススメ音源は「1*2」。この作品は、過去の特に奇形感が強い楽曲を、今のcali≠gariで再アプローチしたセルフカバーミニアルバムです。「頭おかしいだろ」と言いたくなる歌詞と不協和音すら取り込んだ音が何よりの魅力。「しね」の連呼とか「37564(みなごろし)」とか「ギロチンが落ちる~」とか「とりあえず失禁してください」とか「サイレンが僕の頭の中で~」とか歌っていて色々ヤバいのですが、個人的には「クソバカゴミゲロ」という曲への思い入れが強いです。このバンドのドラマーだった誠さんが脱退するときのライブで、ライブ本編最後に誠さんが真剣に脱退にあたっての言葉を述べた後、アンコール明けの一発目がこの曲だったのです。すなわち、この曲の歌詞「大した理由は別にない どうでもいいでしょ」と歌ったのですよ。なのにそれが異常に楽しくて。頭おかしいだろと思ったけど、衝撃的に楽しかった。今思えば、これはcali≠gariらしい贈る言葉だったのかも。そして、ファンとして無意識にそれに共感したのかもと思ったりもします。そんな感じでおかしな曲ばかりなのですが、とても面白いアルバムなのです。怖いもの見たさというか、聞いてみたら好きになっちゃう人が結構いるかもと思いますよ。

他には、同じくニューウェーブ的(?)な楽曲を集めてセルフカバーした「2*3」とか、誠さん脱退後、4人のサポートドラマーの特色を考慮して収録曲が作られた「12」なんかもオススメです。

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↑ 「1」発売にあたってのスポットCM的なもののはずだが、なんのこっちゃわからん雰囲気になってるのがスゴイ。(多分、狂信盤の特典であるスタジオセッションの映像を使ったんだと思う)

 

SEX-ANDROID(せっくす あんどろいど)

 画像検索するとわかると思いますが、白塗り+白衣+パンクなアイテムという、なかなか強烈なヴィジュアルをしたバンドです。しかも、三人のメンバーのうちの一人はハゲ……じゃないや、逆モヒカン的な髪型。何年も前ですが、バンギャル初心者の頃に雑誌の白黒ページで見かけてすごいなあと目を瞠ったことを今でも覚えています*4

音楽の特徴は、パンクや哀愁歌謡的な雰囲気のある曲が、ドキドキするような勢いのある楽器隊の演奏と独特の色気がある声で表現されていて、その渋いカッコよさに耳を奪われます。歌詞で描かれるダメな男・ダメな女的な感じとか、地下でコアなことやってる俺カッコいいと思ってるけど実は売れてみたいとか、そういう人生のほろ苦い部分が、カッチョイイパンクや歌謡曲ロックに乗っかっているのが非常に堪らない感じで、素敵なわけです。

見た目に反して(?)、演奏がすごくうまくてカッコいいのですよ。走り出すときみたいにゾクゾクするようなパンクの勢いはそのままに、どっしり構えられたような安心感もある楽器隊の音が非常にカッコいい。YU-DAIさんのちょっと掠れてハスキーな歌声も魅力的です。巻き舌な歌い方も好き。

オススメ音源は、パンキッシュな曲ばかりが詰め込まれたコンセプト・ミニアルバムの「殺し屋ミルクちゃん」です。この音源、男性が聴いても相当カッコいいと思いますよ。超高いテンションで始まる1曲目の「現状サティスファイド」でいきなりガツンと殴られて、さらに2曲目のリード曲でもある「殺し屋ミルク」でさらにボコられる感じ。それが最後までノンストップでフルボッコです。そんなミニアルバムの中でも、特に「バースデー」での微笑まれながらじわじわいたぶられる感じがなんともよいです。

あなたが生まれたとき

みんなが泣きました

嬉しくてか哀しくてかは

置いといて

 

あなたが生きてる今日

 みんな笑っています

バカにしてか楽しくてかは

どうでもよくて

この楽曲は人生のヒリヒリした感じがシニカルに表現されていますが、「でも、まーいっか」みたいに開き直れる気もする。音は疾走感のある暖かなパンクで、なんか知らんけどハッピーな気持ちになれる気がする。そんな素敵な楽曲です。是非とも色々な人に聴いてほしい曲だなと思いました。

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↑ 殺し屋ミルクちゃんのスポットCM的な動画。カッチョイイ!!

 

LIPHLICH(りふりっち)

男性向けのバンドを挙げる記事なのでLIPHLICHを入れるかちょっと迷ったのですが、やっぱりセンスが抜群だよな~、このセンスはもう男女とか関係なよな~と思ったので入れてみました。 外観とか暗黒メルヘン風な世界観(違う雰囲気の楽曲もあるけど)とかは「まさにヴィジュアル系!」という印象なのですが、なんか知らんけど、ヴィジュアル系のメインストリームとは一味違う感じがするバンドなのです。なんだろうかこの感覚は……おしゃれ感?こなれ感?

音はしっかりとしたロックが根底にありつつ、様々なフレーバーを付加していく感じでしょうか。そのフレーバー付けのセンスが抜群すぎると個人的には思います。それによりホラーでファンタジーな世界観等や歌謡曲っぽい世界観とかがぶわっと目の前に立ち上ってくる感じがするのです。

実は私はそこまでこのバンドのファンではないのですが(ごめん)、新しくどんな楽曲が提示されるのか非常に興味があるので、新しいアルバムが出たら買わなきゃ!とチェックせずにいられないバンドなのです(そう思っている時点でもうファンなのかもしれない……)。

あと、メインの作詞・作曲者であるボーカル・久我新悟さんの歌い方やら写真の写り方とかを見ると、かなりの清春さん好きなのだろうと思われるのですが、詩とか音楽性は全然違うは面白いなあと思っています。

オススメ音源はシングルのMANIC PIXIE。「MANIC PIXIE」はすげーカッコいいバンドサウンドがまずあって、しかし、それをザクザク区切るように馬のいななきとか笛の音とかのジャズっぽいピアノとかが入ってくる感じが非常にハイセンスで、かなりお洒落&カッコいいです。カップリングの「グロリアバンブー」のいかがわしい感じも好き。女性コーラスっぽい声が合の手みたいに入るところとか、ベースが目立つ感じとか、またもや「ハイセンス!」と思わされて、なんか悔しくなってきました(笑)

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↑ PVのセンスもめちゃくちゃいいよな~。

 

MUCC(むっく)

現在の表記はムックとMUCCとどちらが正式なのでしょう? どっちでもいいの?

もはや男性の音楽ファンの中でも結構認知があるかもしれないので、改めてここであげるまでもないかもしれません。

ムックというバンドの音楽の傾向はかなりの変遷を辿っています。初期は上記cali≠gariの影響が垣間見られる、絶望にのたうち回る(あるいは絶望のあまり呆然とする)ドロドロした世界観でした。とはいえ、音自体はcali≠gariとはちょっと違う雰囲気があって、この頃の音はグランジとか歌謡曲とかフォークっぽいアプローチ+へヴィネスみたいな感じでしょうか。薄暗い・重暗い感じと衝動性が併せて感じられます。中期にはそれが吹っ切れたように、綺麗な情景の歌詞ときれいなメロディの曲とか、人を元気づけるような明るいロックが生み出され、その後には、メタルものとか、ダンスミュージックを取り込んだような曲なども見られるようになりました。とはいえ、どの曲でも根底にはムックらしい重みがあるような気もします。

そんなわけで、このバンドは中期以降、音源を出すたびに賛否両論が巻き起こっていたような気がします。「あの頃のムックが好きだったから、今回の音源は理解できない」的な。でも、ライブでは普通に昔の曲もパフォーマンスされるし*5、もはやムックの音の変遷は当たり前のことと捉えられているような部分もあり、現在のファンは肯定的に捉えているのかもしれませんね。相変わらずムッカー(ムックのファン)のノリは凄そうですし。

オススメ音源はWORST OF MUCCとBEST OF MUCC。これはそれぞれインディーズの頃の楽曲とメジャーデビュー後の楽曲を収録していて、2枚を聴くことで上記の音楽的変遷を実感することができると思います。ただ、この2枚が発売されたのが2007年なので、その後更なる変遷を遂げるわけですが……。

重々しく絶望で狂っちゃうような感覚が味わいたい人は1stアルバムの痛絶がオススメです。私が所有しているのは3rdプレスなのですが、そのボーナストラックの「狂った果実(笑)」はヘヴィーでホントおかしくて素敵です。あと、最近のダンスミュージックぽい要素のある曲も楽しいですよ。絶対ライブで楽しい。

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↑ 割と最近の曲。ディスコサウンド的なフレイバーがありつつ、とってもヘヴィー。この動画はガチャピン氏・ムック氏とコラボした映像*6。両氏がヘドバン(というか折り畳み?)をしているという貴重映像。 

 

girugamesh(ぎるがめっしゅ)

安心してください、バンドですよ!(※昔、深夜でやっていた、今となっては伝説の番組のことではありません)

なんていう冗談は不要かもしれません。このバンドも男性の音楽ファンの中では結構認知があるかもしれませんね。ムックもですが、ヴィジュアル系以外のバンドとの対バンにも積極的ですし。

このバンドの魅力はバリバリにハードでヘヴィーな音楽なのに、小気味いいリズム感に満ちているところだと思います。バンドサウンドはハードで濃厚な雰囲気がある一方、リズムには軽快に跳ねるような感覚があって、音に乗って体を動かしたくなります。音楽的には、ハードコアなアプローチの曲や、HIPHOP的なアプローチを取り入れたミクスチャーロック的な曲が魅力的だと思います。同期の音の入れ方が非常にうまいなあと思っていて、これもリズムを軽快に感じる一因かも。あとは、ボーカルの左迅さん(サトシと読みます)の歌声は声質も歌い方もストレートで聞きやすい感じがします(ヴィジュアル系の中では珍しいと思う)。もちろん、歌だけじゃなくシャウトも素敵ですよ。

歌詞はロックらしいクレイジーな衝動性に満ちた曲がありつつ、一方でやたらと青臭いメッセージの曲があったりもして、なんかそういうところが可愛いなあと思います、おばさん的には。

オススメ音源はアルバムのGirugamush。2007年の作品ですね。まず、1曲目のSEからしてかなりイケてる感じに期待が高まったところ、2曲目以降のヘヴィーでハードな「patchwork」「Vermillion」「stupid」「バリケード」で怒涛の勢いで攻めたてられます。その後は、きれいめな歌ものがあったり、暴れ曲があったり、ロックンロールな曲があったりしつつ、穏やかに始まり次第に激情的に歌い上げる展開となるラストソング「壊れていく世界」へと収束していきます。そんな収録曲の中でも、個人的には「CRAZY-FLAG」がかなり好きです。やはり小気味よいリズム感と、曲中「Burning the flag」「Burning the flag」とシャウトするところがカッコいい。

新しめの曲だと、濃厚なバンドサウンドと、それを飾り立てるギラギラした打ち込み音の対比がめちゃくちゃカッコイイ「Incomplete」もオススメです。

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↑ アルバム「Girugamesh」に収録されている Vermillion。ハードでヘヴィーなんだけど、独特の小気味よいリズム感がカッコいい。シャウトあり。

 

MERRY(めりー)

「レトロック」と呼ばれる、哀愁歌謡的な要素を取り込んだロックが魅力的なバンドです。割とシンプルめな音なのかなと思うのですが、その音で、独特の色気と哀愁感たっぷり、かつ、カッコよくて聞き惚れちゃうロックが組み上げられているのです。

それを歌うガラさんの声もまた素敵なのですよ。高音の、少し神経質っぽそうな(?)僅かに棘の刺さったような癖のある声なんですけど、なぜか聴いていると落ち着く声なのです。特に高音での歌声の心地よさは異常。アルファ波でも出ているんじゃないのかというくらいです。とはいえ歌詞は結構ヤバめで、エログロナンセンスとか、愛国論とかだったり場合もあるわけですが……。個人的にはガラさんの高音を最も愉しめるのはアルバムBeautiful Freaks収録の「SWAN」だと思っています。こちらは歌詞もメロディーも切なく美しく、繊細な雰囲気がとても素敵です。

というわけで、オススメ音源なのですが、上記のBeautiful Freaksもとても良いアルバムですが、個人的にはアンダーワールドを推したいと思っています。1曲目のSE「GI・GO」から荒々しくアグレッシブなテンションで始まるこのアルバムは、「Friction XXXX」や「under-world」など同じく荒々しいロックが多く収録されていてとてもカッコいいのですよ。でも、その音楽はやはり「レトロック」な雰囲気に満ちていて、独特の哀愁と色気があるロックなのです。他には、まさに哀愁歌謡な「赤い靴」「冬のカスタネット」、ガラさんが歌わずに演説する曲「演説~シュールレアリズム~」(声に拡声器っぽいエフェクトがかかっている)、15分以上の尺があり展開に富んだ曲「激声」などが収録されています。なんというか、ガラさんの癖がありつつも心地よい声と、荒々しくも色気のある楽器隊の音により、ささくれをはぎ取るような、痛みと心地よさが同時に味わえる感覚のアルバムではないかなと思います。

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↑ ネロさんの独特なドラムも魅力。ギターとベースの色気のある音も、ガラさんの苦しげな歌声もカッコいい。

 

Lament.

昔の名古屋系好きには堪らないバンドではないかと思います。

ヴィジュアル系における名古屋系の定義はちょっと難しく、最近はlynch.が人気だったりするのでダーク&ラウドなイメージのある言葉のような気がしますが、ちょっと昔だと、LaputaとかMerry Go Roundとかdeadmanのようなダークでハードで、かつ、ちょっとゴシックなイメージな音楽のような気が……。ごめん、勉強不足でちょっとまとめきれない……。

Lament.のお二人は名古屋出身ではないのかもしれませんが、そういうちょっと昔の名古屋系の香りが濃いように思われます。ダークでゴシックな雰囲気が漂う濃厚なハードロックがとても魅力的なのです。

メンバーはボーカルの悠歌-youka-さんとギターの依介-isuke-さんだけなのですが、ライブやレコーディングはサポートのベースとドラムが入って、濃密なバンドサウンドを築き上げています。悠歌-youka-さんはまさにヴィジュアル系のボーカルになるために生まれてきたといってもいいくらい強靭で艶のある歌声と強力なデスボイスが魅力的です。繊細なフレーズや耳を引くアクセントのようなフレーズ、轟音を弾きこなす依介-isuke-さんも素敵です。

オススメ音源は1stミニアルバムのTOTENTANZ。SEに続いての2曲目「Whirling Black」は、初っ端からダークでハードでゴシックな雰囲気のロックでLament.らしさ満載です。ミニアルバムにはこの曲のようなシャウト・デスボイス・轟音な楽器隊・メロディアスな歌メロなど、まさにLament.!なダーク&ハードなロックがありつつ、ジャズ的なアプローチを取り込んだ「Late Show in Bathroom」、繊細な音と歌声で穏やかに進むパートと、切々と歌い上げるパート、ハードな演奏とデスボイスで攻めるパートという展開がすごい「Door」(しかも8分以上の楽曲)など、非常に聴きごたえのあるミニアルバムです。聞き惚れる人も多いのではないかと思います。

lament.syncl.jp

↑ 残念ながら公式動画がないようだったので、バンドの公式通販のページへのリンクを貼っておきます。

 

Plastic Tree

繊細な雰囲気の音楽が魅力で、基本的には女性に好かれる音楽だと思います。ですが、意外と男性で好きだという人もいる印象があります。というのも、対バンイベントや雑誌の対談等でボーカルの竜太朗さんと話せて嬉しそうにしている後輩の男性ボーカルをちょいちょい見かけるからです。(あと、清春さんがtwitter上とかで「竜さま」と呼んでいるのを見かけたことがある。竜太朗さんのことを可愛がっている様子。)

オルタナティブロックやシューゲイザーからアプローチされた音楽に、文学的な歌詞が乗っている……というような言葉がPlastic Treeの説明として多く見られるような気がしますが、Plastic Treeの魅力はなんといってもその浮遊感のある繊細な世界観ではないでしょうか。かといって、別に弱々しい音楽をしているわけでもなく、ハードな音も多用しています。轟音と柔らかい音と繊細さの調和がこのバンドの一番の魅力かもしれませんね。聴いていると、一人で海の中を漂っているような感覚にもなります。

初期の繊細で白昼夢的な捩れた歌詞と音が、次第に洗練されて今のPlastic Treeになった感じでしょうか。初期の頃から今も、Plastic Treeの表現や世界観はいつでも独特だなあという感じがします。それは轟音から繊細な音までを表現する楽器隊と、Plastic Treeの世界観にピッタリはまる竜太朗さんの繊細な声があって初めて成り立つ世界観でしょう。夢の中で眩暈を起こすような、呆然とするような、悲しいような切ないような、そんな想いを轟音と繊細な音の調和で表現できるバンドは他にいないと思います。インディーズデビューがだいたい20年前ですか? その積み重ねと、唯一無二な世界観、そして、竜太朗さん独自のふわふわと繊細な雰囲気が他の男性ボーカルさんを惹きつけるのかもしれません。

オススメ音源その1は、前の記事にも書いたとおり、アルバムの「アンモナイト」。これは前にこのブログで記事を書いたのでリンクを貼っておきます。(読み返すと書き直したい部分が結構あるけど……)

初めてPlastic Treeを聞く人におすすめのアルバムってどれ? - THE STARRY RIFT

オススメ音源その2はアルバムのPuppet Show。1998年の作品で、白昼夢的で捩れた世界が、ハードな音、繊細な音で表現されています。優しい曲も、ちょっと壊れた曲も、どこか現実感のない夢の中のような感覚があって眩暈が起きそうです。「MAY DAY」や「リセット」のようなノリの良い曲、「幻燈機械」や「サーカス」のような幻想的で柔らかい曲も素敵ですが、個人的には「「ぬけがら」」が一番好きです。穏やかながらも不安を煽るパートから、サビで一気に切なさの頂点に至る感じが心にグサッと刺さります。

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↑ 昔の曲は公式音源を見つけられなかったので、割と最近の曲を貼ります。繊細なんだけどしっかり芯のある感じ。プラの音楽は説明が難しいよね。

 

 

というわけで、色々なバンドをあげてみましたが、素敵なバンドは他にもたくさんあります。それに、ここに書いたのはあくまで私の観測範囲内で得られた情報のため、まだまだ私の知らないカッコいいバンドがたくさんいるのです。音楽ジャンルや表現方法が多岐に渡るヴィジュアル系だからこそ、自分好みのバンドを見つけられるかも!?

いや~、それにしても、このテの記事って書くの大変ですね。これだけでほぼ休日1日使ってしまったよ。それとも、私の文章を書く速度が遅いだけ……?

*1:ノクブラの音楽はハードコアというよりはデスコアと言った方が正しいのかも……? 音楽ジャンルの定義は難しいですね……。ハードコアの知識すら危うく、デスコアの知識はさらに少ないので、ごめんなさい。あと、洋楽のハードコアは全然わからないので、いくつかのバンドの音源を聞いたことはある邦楽ハードコアに限定してここの項目は書いています。

*2:正式な表記は1が左右反転した文字

*3:正式な表記は2が左右反転した文字

*4:確かNoGoD(まだ新興宗教楽団が付いてた頃かも)の団長とのトークセッションで、やたら団長弄りをしていたという記憶まである。

*5:最近ムックのライブにご無沙汰してしまっているのですが、たぶん今もそうですよね?

*6:このバンドは数年前からムック氏とは交流がある