THE STARRY RIFT

ヴィジュアル系バンドや女性・男性アイドルについて気ままに駄弁るブログです。

プラのライブにはやっぱり独特の雰囲気がある。 2016/5/8 Plastic Tree 春ツアー2016 「剥製」 @TOKYO DOME CITY HALL

お久しぶりです。バンギャルとか諸々のファン活動をしているフミヅキです。

う~む、いつの間にやら5月も後半ですか……。

すぐ記事にするつもりで、だいぶ間が開いてしまいましたが、ゴールデンウィークの最終日に公演されたPlastic Treeのライブについて感想を書こうと思います。かなりアバウトにメモっておいた文字列を見ながら書き起こしているので、ところどころ間違いとかあるかもしれないですが、お許しください。

でも、素晴らしいライブだったのは確かです! Plastic Treeの独特な世界観に飲まれ、心地よい時間を過ごすことができました。

 

今回のライブは、いわゆる「ヴィジュアル系バンドらしいライブ」のイメージとはちょっと違う雰囲気だという印象を受けました。

TDCホールのアリーナもすべて座席にしたホール公演であることも要因かとは思いますが、今回はアルバム「剥製」を引っ提げてのツアーであり、この「剥製」という作品の独特な世界観が濃密に反映されていたからだろうと思います。こういう作品を作るヴィジュアル系バンドはいないなあと感じつつ、その世界観はやはりヴィジュアル系だと感じる不思議なアルバム。轟音でありつつ繊細でありつつ楽しい曲が満載で、楽しいライブのノリがありながらも、同時にじんわりと音に聞き惚れるような公演でもありました。曲が終わるたびにお客さんの拍手が入るところも、他のバンドだとあまりないかもしれませんね。

 

ではでは、ライブの雰囲気を書いていってみます。

 

本編

オープニングのSEが、アルバムの1曲目の「○生物」、続いて披露された曲はアルバムでの2曲目の「フラスコ」。アルバムの曲順通りのスタート。

この「フラスコ」という曲、気持ちよさと気持ち悪さの境界の絶妙なラインを狙っているような曲で、それが非常にプラっぽい!という感じで大好きなのです。イントロとかの、調子が外れそうで外れてなくて何故か心地よいギターのフレーズに、私は「絶望の丘」を思い出しました。ぐにゃりと現実が歪むような曲で非常に素敵。

続いて披露された「曲論」も、ぐにゃぐにゃ世界が歪むような曲。

「フラスコ」も「曲論」も現実から乖離していくような雰囲気がありつつ、でも、どこか生々しい雰囲気もあるんですよね。竜太朗さんの声のせいかなあ? 序盤からそういうPlastic Tree独特の世界に侵されていく感じで、心地よい始まりでした。

「梟」は私は久々にライブで聞いたかも。激しさと静寂と切なさの同居がいかにもプラって感じで、「ふおおおおお~!」と私は聞きながら燃え滾っておりました。「ライフイズビューティフル」はライブで聞くと、より生々しい感じがして素敵。

合間のMCで竜太朗さんが「得意の英語で次の曲に繋げてくれますよ」と正さんに無茶ぶり。

正「えっ? ……(英語っぽい発音で)ネクスト・ソング・コールド……インソムニアブルース!」

きちんと応える優しいスーパーリーダーの姿に涙。

インソムニアブルース」の淡く滲むような不思議な音の雰囲気(しかし同時に芯のしっかりした音)は本当に素敵だと思う。

インソムニアブルース」と同じく作詞作曲を正さんがした「メルト」も披露されました。この曲も大好き。重めに歪んだアクの強い音と、水彩画のように繊細に滲むような美しいメロディーとの対比がすごくドラマチックなのです。音に乗って体を動かしつつも、うっとりと聞いておりました。

 本編最後は「剥製」。内側へ内側へと籠っていくような音。作り物感と生々しさが同居したこの曲は、まさに「剥製」そのものという感じがします。陶然というよりは、呆然としながら私はこの曲を聞いていました。

「剥製」が終わり、SEの「●生物」の音と共にステージから去っていくメンバーを黙って拍手して見送りました。こういう時ってメンバーの名前を呼ぶことも多いと思うのですが、そんな気にもならず、ひたすらに拍手していました。どうやら、お客さんもみんなそんな気持ちだったようで、皆がみんな、捌けていくメンバーへひたすらに拍手を贈っていました。

 

アンコール1

「リプレイ」も久々かも! 切ない、美しい、でもロックしていて楽しい曲。

お約束の「メランコリック」は楽しくないわけがない! 折り畳みの楽しさマックスです。

「春咲きセンチメンタル」は美しく切ない春の歌。キャッチ―な感じもあって好き。

 

アンコール2

「あバンギャルど」&「Ghost」で暴れまわる感じで、ひたすら楽しい!

 

MC

この日も独特の髪型をして出てきた竜太朗さん。

竜太朗「今日は最後だからツノも高めにしてみました」

客「可愛い!」

竜太朗「だよね」

あざと可愛い。

↓ ちなみにこの日のお姿の参考画像

 

メンバー1人ずつ話をしよう的な展開になり、「ナカちゃん(アキラさん)を最後にしよう!」(トリで面白い話をしてくれるはず的な目論見らしい)と決めた竜太朗さんと正さんが、どちらが先に話をするか決めるためにジャンケンをすることになる。(ケンケンが最初だったか、トリ前だったかは忘れた。ごめん……)

竜太朗「ジャンケン、ジャンケン、ジャンケン、ジャンケン……」

ひたすら「ジャンケン」を言い続け、なかなか「ポン」を言わない竜太朗さん。困った正さんは「最初は~」と切り出す。

正「最初は、グー!」

しかし、この正さんのグーに合わせて「ポン」の言葉と共にパーを出す竜太郎さん。ずるくね?

(その後、ちゃんとジャンケンをやり直していました)

 

さて、そのアキラさんのすべらない話。地方でのライブの移動時にバンギャルさんと遭遇し、少しお話されたときのこと。

バンギャルさん「ずっと追いかけていたら、こんな年になっちゃいました(笑)」

その言葉を受けてアキラさんが思ったこと。

アキラ「俺らが一人の女の人生を狂わせた!」

そしてこうも発言していました。

アキラ「俺らのロック人生、やめるわけにはいかねえんだな。俺らが面倒見てやるよ!」

か、かっこいい……!

竜太朗「泣けてくるね」

うぅぅ……(涙)

私も身につまされる話だけど、これからもPlastic Treeについて行きます!

(ちなみに、移動時のメンバーとの遭遇は普通にありえると思われる。実際、私はいつかのプラの地方公演の帰りを新幹線にしたとき(翌日仕事早かったのだよ)、ホームを歩いていたらバンギャルっぽい子たちがホームから車両に向かって手を振っていて、ハッとして見たらメンバーさんが車内に並んで座っていたことがあった。にこやかに手を振り返していらっしゃった。その時、私は「ひええええ!」と心の中で叫びつつ、しかし、手を振ることもできず、ジロジロ凝視しながら通り過ぎる挙動不審の人と成り果てた……黒歴史……)

 

アンコールではコップに入ったお酒をスタッフさんが持ってくる。メンバーで乾杯。

2回目のアンコールでももう一杯。乾杯の音頭を任されたのは正さん。

正「Plastic Treeとみんなの未来に、乾杯!」

素敵な音頭の言葉。

飲んで演奏して大丈夫かという話にもなるが。

アキラ「酒飲んでも、次の曲はギターソロないから大丈夫!」

だそうです。

竜太朗さんと正さんはTDCホールの大きなステージに立ちながらも、「千葉の居酒屋みたい!」「千葉ルックの帰りみたい!」と楽しげ。

 

アンコールでやった「メランコリック」は、フロアが盛り上がらないと入れないというのが恒例なのですが、フロアの盛り上げ役を任されるケンケンさん。

アキラ「1ミリ(秒?)でも盛り上げたらギターが入るから!」

先輩方のちょっとした無茶ぶりに、困りつつも果敢に挑戦するケンケンさんは、アキラコールをするよう客に要求する。

客「ア・キ・ラ! ア・キ・ラ! ア・キ・ラ! ア・キ・ラ!」

満足したらしいアキラさん、ギターのイントロを開始。

 

Plastic Tree東京国際フォーラムホールAでの公演が決定。

竜太朗「正くんと一緒にバウハウスとかを見に行った国際フォーラムでライブができることになってうれしいです。化粧で表情がわからないかもしれないけど、本当にうれしいんだよ!」

東京国際フォーラム、本当に楽しみです。

 

ちょっとトラブル

本編の「藍より青く」の曲終盤で盛り上がっているところ、アキラさんが「トラブル、トラブル」と発言。

アキラ「ストラップとれたズラ」

ギターを肩から下げるストラップが外れてしまった様子。何故言葉がなまったのかは不明。

アキラ「こんな時のためにサブがある!」

2本目のギターを取りに行くアキラさん。

アキラ「あ、黙って下がって交換して来ればよかったのか!」

いい年してうっかりさんである。ちなみに、その後のMCでは「ズラ」なまりが何回か使われました。

 

全体の感想まとめ

「剥製」というアルバムの世界観を現出させた、素晴らしいライブだと感じました。

雑誌のインタビューを読んでいると、竜太朗さんはアルバムを作った時に「剥製」という言葉に強い思い入れを持ったようです。それを読んで、私は「剥製」というのはPlastic Treeというバンドのありようを端的に表す言葉だなあと感心しました。「剥製」は生き物でありつつ、生き物ではないものです。私はPlastic Treeの音の世界に、ヒトというものの生々しさと抽象的な虚像・幻想との同居、轟音と繊細さの同居など、不思議な矛盾を感じていて、その感触は「剥製」という言葉とぴったり重なるような気がしました。

そして、Plastic Treeの矛盾の世界になぜか私はどうしようもなく心が惹かれてしまうのです。やっぱりすごく素敵で素晴らしいバンドなんですよ、Plastic Treeって!