私は何故ヴィジュアル系の音楽に惹かれたのか?そこからさらにアイドルの音楽まで聞き始めたのは何故? ついでに相互のファンへのオススメ曲。
前の記事にも書きましたが、私がヴィジュアル系バンドの音楽を聞き始めたキッカケは、Plastic TreeのSinkという曲に惹かれたからです。この曲は、寂しくて物悲しい気持ちが、幻想的で詩的な言葉と音楽で表現されていて、曲全体に死の予感みたいなものが漂っています。テーマにしている「寂しい」「悲しい」感情は人間にとって普遍的で身近なものでしょうが、それを彼ら独特のフィルターをかけてヴィジュアル系の音楽として表現しているのです。
私はそういうヴィジュアル系独自の偏光フィルターを通して表現された、ちょっと歪んだ世界観の音楽が好きです。一般の人には演出過剰と感じられるかもしれませんが……。
ヴィジュアル系バンドの作り出す音楽は悪夢みたいなものなのかもしれません。悪夢というのは現実でのこだわりや恐れが形を変えて現れたものだと思うのですが、私はヴィジュアル系バンドの作り出す悪夢にどうしようもなく共感してしまうのです。現実を直視するのが怖かった時代に聞き始めたからかな?
身近な感情を身近な言葉やもう少し耳触りのいい音楽で表現した歌にも「いいな」と感じることは当然あるのですが、「CDを手に入れたい」「このアーティストのことをもっと知りたい」とまで思うのは、当時はヴィジュアル系バンドだけだったんです。
さらに私の根幹にあるものを分析すると、実は演歌なのかもしれないです。私の実家は祖父母と同居だったので小さな頃から演歌歌手の出演する音楽番組を見ながら育ちました。そんな中で私は特に女性の演歌歌手が好きで、花魁風衣装の坂本冬実さんが歌った「夜桜お七」や、独特の擦れた大人の雰囲気のある八代亜紀さんの「舟歌」なんかは子供心にも「かっこいい!」と思ったものです。これらの演歌も、我々世代から見ればあまりに演出過多な世界観ですよね。そういうのが刷り込まれているのかもしれません。
では、アイドルの曲を聞き始めたのは何故なのか。
年齢的に、悪夢だけでは辛いので救いを求めるようになったのかもしれません(苦笑)
私にとってヴィジュアル系バンドが負側の夢なら、アイドルは正側の夢なのだと思います。憧れや癒しのイメージでしょうか。私にとっては、ヴィジュアル系バンドもアイドルも、ベクトルは違えど、この世界とは一つ違う次元にいて私達に夢を見せてくれる存在というイメージは共通です*1。
「アイドルは『夢』だ」
はっきりとそう思ったのは、V6のOMGコンDVD*2を見た時でした。既にアルバムの「Oh! My! Goodness!」を聞いてV6のファンになっていたので、このDVDも「楽しいなあ」と思いながら見ていたのですが、最後の方で披露された「ミュージック・ライフ」を視聴したときに、ヤラレタと思いました。
なんというか……多幸感?
とにかく、じーんとしてヤバかった。幸せに満たされるこの独特な感じはアイドルにしか作り出せないのではないでしょうか。アイドルの曲ゆえの感覚。
そういえば、この前の「ザ・ミュージックデイ」を見たときも思いましたが、AKBグループ含め、やはりアイドルの曲の幸せ感はいいものです*3。NEWSのチュムチュムの世界観とか、アイドル以外の誰が表現できるんだ!
余談ですが、チュムチュム衣装の加藤くんはヤバい。以前の記事でも加藤くんは南国少年風の色気と可愛らしさを感じるとチラッと書きましたが、あの衣装はその魅力を倍増させています。ヤバすぎる。衣装を考えてくれた増田くんありがとう。そして、まだあまり加藤くんのことを知らないのでシゲと書けない私。
夢というのは掴めない儚いものだからこそ、美しいのかもしれませんね。
でも、その夢が私には必要なんですよ!!!(病んでる?)
そんなわけで、せっかくなのでジャニーズのファンの方へはヴィジュアル系から、バンギャルさんへはアイドルの曲からオススメを挙げてみたいと思います。私の独断と偏見に基づく選出で大変恐縮なのですが……。
ジャニーズのファンにオススメなヴィジュアル系の曲
①アンティック-珈琲店- 曲:スマイル一番イイ♀(おんな)
ヴィジュアル系にも明るくポップな曲が得意なバンドがいますが、やはりどこか捻くれていたり、過剰な表現があったりする印象です。そこがいいところでもあり、同時に一般からは敬遠される理由であるのかもしれません。
このアンカフェというバンドもポップな曲が得意で、さらに、ヴィジュアル・イメージも可愛いです。全員小柄で、特にこの曲の頃の衣装は原宿系・原色多用系のポップな雰囲気。カッコいいが主流だったヴィジュアル系バンド業界に「可愛いも正義」を浸透させた功労者だと思っています。ボーカルのみくさんが可愛い顔して意外と男性らしい声だったのにはびっくりした記憶も。
この曲はチラッと聞いた限りではポップに弾ける明るい曲なのですが、実は切ない失恋ソングです。「好きな女の子の恋愛を応援しちゃう男の子」がテーマで、キュンキュンしちゃうストレート過ぎる歌詞に心惹かれます。
曲も歌詞も過剰に明るいというか、開き直って無茶をしているように感じる部分もあって、そういうところはアイドルの曲に通じる部分かなあと感じています。タイトルのすごさから敬遠されてしまうかもしれませんが、キャッチ―でいい曲です。私は元気になりたいときに今も度々聴いています。(公式動画が見つけられず残念)
②BugLug 曲:KAIBUTSU
BugLugはキュートに弾けるロックチューンが得意なイメージがあります。がっつりとヴィジュアル系の洗礼を受けた外見ではありますが、キュートさもしっかりと含んだヴィジュアルをしております。
パッと見、パッと聞きのポップでキュートな雰囲気に騙されそうになりますが、その実、かなりしっかりとロックをしている印象です。この楽曲もポップでキュートな雰囲気がありつつも、骨太いロックの魅力もあります。
楽器隊によるイントロの音からしてキャッチ―で、歌のメロディーも全体的に渡って非常にキャッチ―な魅力があると思います。特に、サビの歌詞と調和した繰り返し部分、サビ終わりのキメがキュート。
歌詞は不安に押しつぶされそうな日々の中で、自分の中の「KAIBUTSU」を呼び覚ませ!というBugLug流の応援ソングとなっています。キュートだけど力強い歌詞です。
個人的に、この曲はもしNEWSとかHey! Say! JUMPとかが歌って踊ってくれたら、かなり可愛いだろうなあと思っています。(こちらも公式動画を見つけられず残念)
バンギャルにオススメのアイドル曲
①V6 曲:Be Yourself!
1998年にリリースされた曲です。ベストアルバムに収録されているのを聴いた瞬間、ちょっとびっくりするくらいバンギャル心をくすぐられたカッコいい曲でした。ユーロビート風の音と力強いギターの音の絶妙なコンビネーションが耳を惹きます。ユーロビート的な装飾は少し前に聞いたなら古臭いと感じたかもしれませんが、一回りして今の時代では逆にカッコよく聞こえると思います。長い間奏の部分(たぶんV6のダンスを見せるための尺)のギターソロが派手で、むしろ目立ち過ぎなくらいかも(笑)
歌詞は、都会の孤独感を感じさせる部分や「ゼロからキミになればいい」という力強いメッセージ性も素敵だと思います。サビのメロディーもキャッチ―でカッコいい。
この曲、Royzとかのキラキラした若手バンド*4がカバーしたらめちゃくちゃカッコいいんじゃなかろうかと個人的に思っています。ヴィジュアル系バンドによるアニソンのカバーアルバムが結構出ているので、そろそろジャニーズ・カバーが出てもいいのではないでしょうか。ダメですか?
②KAT-TUN(上田竜也くんソロ曲) 曲:ART OF LIFE
タワレコでKAT-TUNのアルバム「come Here」を少し安く買える機会に恵まれまして、手に取ってみました。KAT-TUNは激しい・カッコいい系の曲ばかりというイメージがあったのですが、ポップな曲も結構あることを知れて興味深いアルバムでした。
ART OF LIFEはそんな中では、激しい&クール系の曲です。重低音を効かせた楽曲で、歌い出しもしゃがれた声で迫ってくるので「え?これジャニーズの曲?」とびっくりさせられます。けれども、次第にきれいに歌い上げるパートに入っていき、そういうところもまたバンギャル的に「こういう展開、心地いいわー」と思わされる部分でもありました。デジタルロックな楽曲アレンジもカッコいいです。
③ひめキュンフルーツ缶 曲:パラダイム
女性アイドルからも挙げておきます。
愛媛のご当地アイドルで、可愛らしい名前のグループなのですが、カッコいいロックチューンが得意です。というのも、彼女達は松山サロンキティ(ライブハウス)を運営しているところがプロデュースしているアイドルなのです。バリバリに可愛らしいアイドルソングを持つ一方、バンドサウンドを多用した曲があったり、骸骨モチーフを使った衣装があったりするので、かっこいい&可愛いを両立しているアイドルだと思います。
この曲はパワーのあるバンドサウンドを用いたクールでカッコいい曲です。メンバーの声もバンドサウンドによく映えるんですよね。途中、音が押さえられる演出にもグッときます。でも、アイドルとしての煌めき感もしっかり感じられます。
公式動画があったので貼っておきます。
という感じで、オススメ曲を挙げてみました。読み返してみたら、これ、ただ私の趣味を列挙してるだけじゃないか(笑)