THE STARRY RIFT

ヴィジュアル系バンドや女性・男性アイドルについて気ままに駄弁るブログです。

【シルバーウィーク3日目】Sadie forever and ever… @Zepp Tokyo 活動休止ライブに思ったこと

今年はなあ……。5月にamber grisの解散ライブ、7月のカルペディエム活動休止ライブで、3つ目が今回のSadieの活動休止ライブですよ。どうなっているんだろう……。私の日頃の行いが悪すぎるからか……。

というか、今年はなんか……いわゆる中堅的なヴィジュアル系バンドがぽろぽろと活動休止や解散を迎えている気がする。寂しいですね。

 

Sadieを聞き始めたきっかけ

私がSadieを初めて聞いたのは、V-ROCK Disneyという、いくつかのヴィジュアル系バンドが参加したディズニー楽曲カバー集です。ナイトメアがアラジンの曲、Plastic TreeやTHE KIDDIEがメリー・ポピンズの曲、PENICILLINリロ&スティッチの曲をカバーする中、Sadieはナイトメアー・ビフォア・クリスマスの「This Is Halloween」でした。これがすげーカッコよくて。楽器隊は重低音を効かせて、ボーカルは歌に加えてシャウトやデスボイスを活用して、緩急のついた演奏でゴシックホラーな世界観を作り上げていました。失礼ながら、Sadieのヴィジュアルがなんかあんまり好きじゃなかったし(ごめん)、なんとなくラウド系のバンドを敬遠していたのに、俄然Sadieというバンドに興味が湧きました。

その後、アルバムの「COLD BLOOD」を聴いて完全に好きになりました。このアルバムを聴いて「This Is Halloween」が必ずしもSadieにとっての王道的アプローチではないことを知ったけれども、ドラマチックな歌ものにも、ハードなラウドものにも、さらにミクスチャーなアプローチにも惹かれました。いずれのアプローチも、なんかこう、Sadieらしい濃厚感があるように感じるのです。なんかSadieの音楽に、私は天鵞絨(ビロード)みたいな派手さと厚みを感じて、その雰囲気が好きになりました。そして、このアルバムで特に私をSadieに惹きこんだのは、実は「LOOSING MY WAY OF THE PROUD」だったりします。上でも書きましたが、私はその頃あまりラウド寄りのバンドを聴いていなくて、これだけシャウトとかデスボイスだけで占められた曲って音源を買ってまで聞いたことはなかった気がします。でも、聴いて一気に痺れました。一発でラウドな曲の良さを理解できた感があったのです。曲の入り、叫ぶ直前に息を吸い込む音が入っているところもとてもカッコいいと思っています。

だから、私のラウド系へ興味の扉を開いたのはSadieだったのだろうなあ。

それから、Sadieの音源を蒐集し、ライブにも行きはじめました。

なんか、Sadieの演奏は私の耳にとても心地よく聞こえるんですよね。

それまでギター一人のバンドを聞くことが多かったのですが、Sadieは剣さんと美月さんのツインギターです。でもそのギターが非常に心地よい音で。ばらばらに弾いてるところもいいんですけど、ユニゾンになったところの気持ちよさが……なんだろ、これ。剣さんと美月さんの二人のギターが大好きです。

真緒さんの声もいいんですよ。真緒さんの歌声こそ、私の感じる天鵞絨(ビロード)感の大もとかもしれないです。艶と厚みのある歌声と、力強いデスボイスが、Sadieの曲の悲劇や狂気や強さを濃密に表現しているのです。かっこいい。

亜季さんのベースもカッコいいです。バンドのリズムを支えつつ、ベースのソロでグッと目立つようなところ、ライブではステージの縁に立って無表情で煽っている姿がカッコいいと思います。あと、ピアノの演奏も素敵です。

そして、景さんのドラムの音が好き。なんかこう、硬くて鋭いような音がすごくカッコいいです。特に、ミニアルバムbleachの「Sexual affection」みたいな、カッチリした雰囲気のドラムが大好きです。

あー、もっともっとSadieの新しい曲を聞いてみたいのになあ。

 

10年目で活動休止を迎えることについてつらつら考えてみた

活動開始から10年の今年、Sadieは活動休止を決めました。

とはいえ、非常に前向きな活動休止であるということはメンバーが何度も言及しています。いつかは言えないけれど、戻ってくるということを何度もファンに向かって言ってくれています。Sadieを続けるために、一度Sadieという形態から離れて戦ってみて、色々なものを取り込んできたいと、そういう意図であるとのことです。

思うに、何かを開始ししてから10年というのは一つの大きな区切りになるような気がします。一般人で考えてみても、例えば、学校を卒業して就職、がむしゃらに働いて10年が経ったら、そろそろ自分の人生の歩み方が定まってくる時期ですよね。キャリア志向でいくのか、仕事の知識や現場力を鍛え上げたいのか、そもそも今の仕事・職場を続けるかなどなど、自分の在り方を見定める時期に丁度差し掛かるのではないでしょうか。そして、そのための行動を起こす時期。例えばですけど、仕事に関わる専門性を身に付けたいから大学院へ社会人入学してみよう!とかの決断も、10年目くらいまでにはしておかないと、なかなかそれより後に実行することは難しいと思います。

私が初めて好きになったジャニーズのアイドルグループのV6は今年20周年ですが、彼らも10年目前後で活動の形態をスライドし始めたようです。それまでは「学校へ行こう」を始めとするグループの看板番組やコンサートなど、「アイドルグループ」としての活動がメインだったところ、俳優業や司会業などそれぞれの個性を生かした様々な方向へ飛び出していく助走を始めたのが10年目前後なのではないでしょうか(奇しくも、学校へ行こうが終了したのもその時期)。アイドルグループとして突っ走ってきたところ、それ以外の何者かへ転身や、何か新しい能力を身に付けることを欲した時期なのだと思います。現在、役者として大活躍していて、俳優業のために始めた武術でインストラクター資格を取るまでになった岡田くんも、10年目まではアイドルとして頑張ろう、でも、それからは本格的に役者になるための能力を身に付けようというライフプランを事前に立てていたようですし*1。そして、昨今のインタビューやテレビ番組での発言によると、メンバー個々が色々なところで活躍するステージがあるからこそ、グループとして集まった時にお互い尊敬できて良い仕事ができる、そんな良い循環ができているようです。

だから、Sadieというバンドも――というか、メンバーの一人一人が、一人の人間としてそういう時期に達したということなんだろうなと感じました。将来を見越して自分達はどうなりたいのかと真剣に考え、おそらく、それはSadieとしてさらに成長するという未来だろうと信じていますが、そのためには、何か新しい能力や経験を得なければならない、でも、それはSadieを続けるよりも休止した方が得やすい(あるいは休止しないと得られない)という判断だったのかなと勝手に考えています。特にヴィジュアル系バンドはバンドとしての世界観を否応なく本人が纏わざるを得ず、だから、何かを始めるにはその世界観を一旦脱ぎ捨てなければならなかったのかなとも考えました。

なんつーのかな。自分と見比べても、自分がショボ過ぎてアレなんですけど、職場とかで燻っていて、動き出す気概すらない自分の現状を見ると、将来こうありたいと思い描く自分達の姿を実現するために、活動休止という大きな決断をくだせたSadieはすごいなと思います。

……まあ、上記は全部私の妄想だけど。でも、なんか、そんな勝手な解釈をしていたので、私としては、彼らとのお別れというよりは新たなる旅立ちを見守るライブという感覚でZepp東京に向かいました。しばしとはいえ、あてのないお別れは寂しくはあったけれど。

 

ライブの様子

場内は結構な人、人、人。女の人が多いのは確かですが、男の人もいます。「彼女についてきました~」みたいな人じゃなく、本当にSadieが好きで来たんだろうなーという男性ファンのようです。

私、Sadieギャさん達(ギャ男さん含む)が大好きです。最前からほとんど一番後ろに達するくらいまで、99%くらいの人が本気で頭を振って拳を上げているんです。北関東のライブとかにもちょいちょい足を運んだことがありまして、そこは東京での箱よりはキャパ的に小さいんですけど、もうどこに行っても同じレベルでバンギャルちゃん達が音に乗っているんです。これ、ステージの上から見たらスゲー壮観だろうなーと、いつも思います。メンバーが羨ましいくらい!(笑)

今回のライブのノリもやっぱりすごくて! だから、ライブ自体はすごく楽しかったんだけど、でも、やっぱり途中ですすり泣く声も聞こえて切ない気持ちになりました。

 

今回、Zepp東京のステージには巨大なディスプレイが掲げられていました。曲ごとにイメージ映像が流れて、とても凝った演出です。印象に残った映像は、ぎょろぎょろする目玉のアップ映像が何分割もされていっぺんに映るやつとか、流血ものとか、ゴアちっくな猟奇的映像。メンバーは出演していないけど、PV並みに凝った映像でとても素敵でした。あと、画面を五分割してメンバーの演奏姿をライブで映す演出もあって、ドバーン!と映されたそれはもう死ぬ程かっこよかったです!!!(ちょっと映像トラブルっぽい場面もあったけど気にしない)

 

 例によって、私も周りのバンギャルちゃんに負けずに拳をあげたり、頭を振ったり、折り畳みをするのに必死で、セットリストを記憶しておりません……。他の方のブログ等に書かれていると思うので、調べて頂ければ……。すみません……。覚えている範囲で感想を書きます。 

開演前に流れていたのはクラシックのピアノ曲でした。ベートーベンの月光とかかな? 自信ないです……。詳しい方、是非教えてください。

一曲目は「Ice Romancer」。これはいきなりテンション上がりますね。ライブ前半は、「Jealousy」とか「CHILDREN OF DESPAIR」とか「Rosario ―ロザリオ―」とか、ハードで荘厳な世界観の曲が続いた印象です。そういえば、何かの曲で教会のステンドグラス的な映像がディスプレイに映し出された気がする。ここでがっつりSadieの世界観に引き摺り込まれた感じです。

中盤は「サイレント・イヴ」とかのバラード寄りの歌もの中心。「THE NEVER」はこの日に聞くと心に沁みるよね……。

そして、後半は「DEAD END」とか「クライモア」とか「サイコカルチャー」とかの暴れろや~!!!って感じの曲が目白押し。頭を振って掛け声して楽し過ぎたよ!!! そして、本編最後は「陽炎」。楽しかった。もうステージのメンバーが光っているようにすら見えて(私の感覚)美しかったです。

そういえば、今回、観客の歓声に対して「聞こえへん!!!」といつも以上に煽っていたように思います。

陽炎の時だったかな?アンコールだったかな?曲が終わって亜季さんがベースをフロアに投げちゃって。でも、お客さん達、ちゃんとベースを前に送り返してました。

アンコール一発目は、「MESSAGE FROM HERE」でしんみりというか、もう切なすぎて会場の気温が下がったように感じました。ずしーんと、活動休止という事実が乗っかってきた感じ。なのに、その直後が「HOWLING」で、テンションをどう持ち上げていいの!?みたいな(笑) しばらく呆然としていたけど、ちょっとヤケクソ気味にテンション挙げて拍手して踊りました。あとは「妄想被虐性癖」とか「迷彩」、これらはライブの鉄板曲でフロアが暴れまくる曲なんです。それで、私もめちゃくちゃに体を動かしていたわけですが、もう「この暴れる部分が永遠にループすればいいのになー」と思っていました。残念ながら終わりが来てしまいましたが。

二回目のアンコールは「Voyage」でした。これはSadieの活動休止前最後に出したシングルで、過去と未来を見据えた歌詞には「掲げてる未来図の配役はこの5人」という言葉があり、Sadieの旅立ちといつかの再会を約束した曲になっています。その中で、観客が「らーらーらー らーらーらー らーらーらーらーらー……」と歌うところがあり、それを真緒さんが何度も「もっと!」「もっと!」と要求していました。メンバーの皆さんも、やはり、名残惜しさがあったのでしょうか。

 

ライブ終わりのメンバーの言葉

 全ての演奏が終わった後、メンバーさん一人ずつコメントがありました。全ては覚えていませんが、少しだけ書いておきます。(話した順で記載)

 

 景さん:

少し泣きそうな顔をしていたように見えました。何度も言葉に詰まって「うーん……」と唸って、沈黙している時間が長かったです。「ありがとう」「しゃべるの下手でごめん」「また会えるように」ということを必死に話していました。

亜季さん:

「Sadieへの気持ちは活動休止しないでください」「俺は君たちへの気持ちを活動休止するつもりはないので」「またやるときはここがいい」ということを話していました。亜季さんらしく、背筋よく堂々としていました。

剣さん:

「美月みたいにMCうまくしゃべられへんから」と本人も言っていて、意味を通すというよりも、活動休止を前に思うままの言葉が続いた感じです。「何にでも終わりはあるもの」「今日はみんないい笑顔」「これから5人、色々なことを挑戦するだろう」「また戻ってくる」といった内容。

美月さん:

優しい顔でした。「初めてのバンドがSadie」「真ん中の人(真緒さん)に拾われて」「自分だけ全然経験なくて、必死にメンバーを追いかけてた」「Sadieのファンはすごいねって色々な人から言われる」「自慢のファンです」

真緒さん:

「歌っていない時はなにもできない弱い男です」「明日スタジオ何時?とかスタッフやメンバーに訊いてしまいそうで……!!!」(ここで真緒さん泣く。私ももらい泣きしてしまった……)「皆のために歌詞を書いてきたけど、もうみんな大丈夫だよね(たぶん、サイレント・イヴでいう「死ねないとわかっている弱さに救われる」のような歌詞をイメージしての発言だと思う)」

 

言葉の詳細は違うと思うけど、こんなイメージのことを言っていたと思います。違ってたらマジごめん……。

 

最後、メンバー一列に並びました。並びは

(下手)美月・亜季・真緒・景・剣(上手)

だったと思う。景さんの目がすごいキラキラと潤んでいました。真緒さんがまず景さんに抱きついて、続いて剣さん。それから亜季さんに抱きついたら、亜季さんに頭か肩をポンポンされていました。最後は美月さんの胸に顔を埋める感じで抱きついて、美月さんは少し困ったような嬉しいような顔で笑っていました。景さんは抱きついた真緒さんが離れたら後ろを向いていたから、もしかしたら泣いていたのかもしれません。そして、カメラでの記念撮影や、剣さんのいつもの写メなど。

 

そんな感じで、楽しいけれど切ないライブでした。

 

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Zepp東京 帰りに撮影。

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↑この日の爪。

 

 

メンバーの皆様、これからの修行の日々、頑張ってください。そして、いつかさらにパワーアップしたSadieが帰って来るのを待っています。

*1:ただ、岡田くんは10年目以降、本格的に俳優業をするようになってから、アイドルでいることが辛くなり、長く反抗期の状態だったことを告白しています。今はV6活動が楽しいらしく、メンバーにべったりしていますが。