THE STARRY RIFT

ヴィジュアル系バンドや女性・男性アイドルについて気ままに駄弁るブログです。

The THIRTEENのアルバム「PANDEMIC」と、2016/6/24 始動ライブ INDEPENDENT13 @赤坂BLITZの感想 正直、結成発表時は「は?」と思ったけど、音源を聞いてライブに行けば楽しさしかないのが悔しい……!

どうも。アイドルにもだいぶ散財していますが、本業はバンギャルのフミヅキです。

先日はThe THIRTEENの始動ライブを見るために赤坂BLITZまで行ってきました。The THIRTEENの結成について、最初は色々と思うことはあったのですが、やっぱり音源もライブすげー楽しかったし、何より、Sadieとはちょっと違う雰囲気の音楽や世界観だったことがすごく良いなあと感じました。

ということで、The THIRTEENに感じているアレコレと、CDとライブの感想を書いていきたいと思います。

 

結成が発表されたときは、正直、「は?」と思った

ヴィジュアル系バンドSadieが活動休止したのが2015年9月。その際のインタビューを見聞きする限り、Sadieを継続するために一度活動を止め、それぞれがそれぞれの道で糧を得て成長したいということなのだろうと解釈しました。10年も同じ活動をしていれば、そういう期間も必要なのかもな、と。

しかし、2016年3月に、Sadieのボーカル真緒さんとギター美月さんでThe THIRTEENを結成することが発表されたのです。

それを知ったとき、私は嬉しいというよりよりも、「は?」「なにそれ?」という困惑の気持ちの方が大きかったです。他のメンバーを抜かして二人だけで活動するって、どういうことなの?二人でSadieをするってこと?Sadieのメンバー同士で音楽するなら休止する必要ってあったの?個人で新しいことに挑戦するんじゃなかったの?

疑問がいっぱい。てっきり活動休止中は各メンバーとも、Sadie以外のバンドマンと絡んでいくと思っていたから、どんな新しい音楽を聴かせてくれるんだろうと期待していたのです。それが結局Sadieのメンバー同士くっついてやるのかよ~と、ちょっと不満に思ってしまいました。結局、Sadieの延長線上に収束していくの?しかも二人だけで?みたいな。

 

でも、気が変わる

雑誌とかでThe THIRTEEN結成についてのインタビューを読んでいるうちに、少しずつ気持ちが変わっていきました。ROCK AND READの真緒さんのインタビューとか、かなり正直に思惑をしゃべっている気がします。

まとめると……

  • 活動休止後、様々なオファーは来たが、それはSadie(真緒さんにとって基軸だったもの)と並行してやりたかったことだった。(つまり、そのオファーを次の基軸として活動する気にはなれなかったということなのだと思います)
  • 今後のためにも、次の基軸を定める必要があると考えるようになる。
  • たまたま、とあるイベントで美月さんと一緒にセッションすることになる。音楽でもプライベートでもツーカーで通じる美月さんとは音楽をやめても付き合いは切れないと思っているし、この二人のユニットを次の基軸にしたいと思うようになる。
  • Sadieの未来に繋げるためにも基軸の活動はSadieのメンバーとやりたい。誰かがシーンの一線にいるべき。2人でやっていれば、ここが帰る場所になる。

二人が「Sadieの未来」を見据えてこのユニットを開始したのが分かりました。「誰かがシーンの一線に」とかは結構大人の計算で、夢を売るべきバンドマンがそれを言ってしまうのかよとも思うのですが、しかし、それを開示してくれたからこそ二人を信頼できるとも思えました。

 

アルバム「PANDEMIC」が最高であった

活動の初っ端からフルレングスのアルバムリリース!しかも、最初の始動ライブが赤坂BLITZでワンマン!って攻めてますよね。でも、確かに、この規模の会場でワンマンするならアルバムレベルの新曲を持ってこないと釣り合わないですものね。彼らの本気度が知れようというものです。

そして、このアルバム「PANDEMIC」ですが……相当に私好みであった!!

アルバム購入時はまだ上記の「二人だけで活動しちゃってさ(舌打ち)」みたいな僻み根性が多少あったわけですが、アルバムを聴いたら「うぎゃあ!(歓喜の雄叫び)」みたいな感じでした。エロ漫画的に表現すると「こんな奴ら、イヤなはずなのに……カラダが反応しちゃうのぉぉ!」っていうあれです(下ネタ的でごめんなさい)。

Sadieの二人でやっている音楽だけど、Sadieらしい面はありつつSadieとは一味違う音が鳴っていて、ものすごく楽しいのです。

Sadieの音楽について、私の中では真っ黒・灰色・白のモノトーンのグラデーションのイメージがあります。10年で築き上げたSadieの世界観を示す音楽はどれもドラマチックで濃厚で、ハードで激しいな音楽によりモノトーンのグラデーションで描かれた重たい世界が想起されます。

それが、The THIRTEENでは、毒々しい極彩色のイメージ。「ヘビーで激しく」というSadieの方向性を継承しつつ、Sadieの世界観から解放されて、もっと本能的に楽しいものを追い求めた音楽という印象でした。

例えば、「CHAINSAW」や「13's BLOOD」や「starry night」なんかは、ハードで激しめの音がサビではガラッと変わり、明るい爽やかなメロディーへと変化するのです。Sadieでもハードな曲調がサビで疾走感とともに開けていく雰囲気の曲はあったと思いますが、ここまで思い切って明るいメロディーにしている曲はなかった気がします。「KILLER MAY」なんかは1曲通してめっちゃ可愛い曲だしね。

アルバム「PAMDEMIC」はSadie路線の曲の方が少ない印象でした。「犯行声明」とか「PHANTOM PAIN」くらいかなあ、Sadieっぽいドラマチックな雰囲気の曲って。「PHANTOM PAIN」も普段のSadieよりアバンギャルドな感じがあるしなあ。

「PANDEMIC」はハードな曲目白押しなわけですが、Sadie以上に本能的というか、快楽方向に向かっているというか、キャッチ―な感じ。一つの単語をひたすら繰り返す歌詞とか、ちょっと頭悪い感じにひたすら激しいリズム&ビート(褒め言葉)な感じとか、衝動性に満ちた楽曲が多いです。Sadieの初期はそういう衝動性の塊な曲も多かったかもしれないですが、その頃の曲よりも洗練されつつも、同時に本能に訴えかけてくる曲になっているように感じます。マニピュレーターでYOW-ROWさんが入っていることも大きいのかもしれません。総じて、モノトーンのドラマチックな曲よりも、毒々しい極彩色の快楽的な曲が多い印象。

Sadieにおいても、休止前最後のアルバム「GANGSTA」とかはモノトーン以外の方向性を打ち出していたような気がします。私は「GANGSTA」の方向性が結構気に入っていたので、今回のアルバムもとても楽しかったです。でも「PANDEMIC」は「GANGSTA」ともちょっと毛色が違うんだよなあ。もっと自由で開放的な感じ。Sadieとしての縛りみたいなものは築き上げてきた世界観と同意でもあり、それはとても素敵なものなので、どちらがいいとは言えないのですけれども。

 

あと、アーティスト写真では外観イメージからしてSadieとは一線を画しています。Sadie以上に盛った衣装と厚化粧。マジ素敵っす。デーハー(派手)な二人にドキドキしちゃうよね。

 

そして、ライブも楽しかったのでした

ライブはSE(Pandemic Hazard)でメンバー入場、そこから「cockroach」というアルバムどおりの流れ。いやー、「cockroach」かっこいいです! 赤の軍帽を被って、眼帯して、毛皮みたいなコートを羽織って出てきた真緒さんは悪役クレイジー軍人みたいな雰囲気で、宣戦布告的な歌詞と「cockroach(ゴキブリ)」という言葉を繰り返すの、カッコよすぎじゃないですかね?

上手ギター(というか、The THIRTEENはギター1人の編成)な美月さん(Sadieでは下手側)がカッコよかった! 真緒さんは「いつもの風景が不細工……(笑)」みたいに言ってたけど、何言ってんですか! 剣さんはそりゃあ可憐でドラマチックなギタリストだけど、美月さんも華やかでアグレッシブで超カッコいいですよ!

The THIRTEENとしては初めてのライブでしたが、フロアは最初の曲から拳をあげるなど、音に乗って動いていました。でも、さすがにちょっと前半は緊張していた感じかもしれないですね。少なくとも私は楽しさと緊張が半々でした。音源を聞き込んではいても、ライブのノリは未知数だったので。でも、そんな緊張感は次第に吹っ飛び、ただただ楽しい、本能的に楽しんで拳を上げて頭振ったらいいじゃん!みたいな雰囲気にフロアが飲み込まれていきました。いや~、楽しかった。年甲斐もなく暴れちゃったよw

たまに真緒さんが「頭!」とか煽るのも新鮮でした。今後リリース予定の「LIER.LIER.」をやる前にはこういう風に歌ってほしいとお客さんに向かって説明していて、なんか新人バンドのボーカルみたいで、可愛くてキュンキュン萌えてしまったよ(笑)

あ、あと暑かったのか、真緒さんどんどん脱いでいってました。アーティスト写真ではわからなかったけど、下はショートパンツだったんですね。いやあ、男性のショートパンツ&柄物タイツ姿っていい眺めですなぁ……。

「starry night」も楽しかったです。歌詞はアレだけど、歌パートはSadieではありえないくらいピースフルなメロディーですよね。その部分を繰り返しみんなで歌って、平和感がフロアに溢れてすごく良い雰囲気でした。

もちろん、「Abnormal Bullets」みたいなひたすらヤバイ曲もめちゃくちゃ楽しかったです。滾るよね!ひたすら滾る!

あと、Sadieでは本編中にMCを入れずに、アンコールの時に入る感じですけど、The THIRTEENでは本編中も結構しゃべっていました。

【MC】

真緒「他のバンドさんはちゃんとMCで物販のことしゃべってはるんやて。うちは全然そういうこと考えてへんかったなあ……」

美月「ひたっすらどーでもいいことしゃべり散らかして去っていくっていうな」

真緒「な」

(MCの詳細は記憶していないので間違っているとは思いますが、雰囲気を察して頂けると助かります……)

二人とも、曲の雰囲気に反してしゃべりは関西の陽気なお兄ちゃん感満載。

あと、The THIRTEENでは物販のデザインとか調達とかまで全部二人でやっているとのことです。今までのデータを元に今回の販売数を決めて発注したけど、売り切れ品続出でごめんと謝っていました。

終演後にはなんと二人のチェキも販売していて、長蛇の列に並んだのですが、私が買う前に売り切れてしまいました……まあ、仕方がない……。

今回の戦利品はグローブと真緒さんキーホルダー。私が着いた時にはタオルとかは売り切れていました。

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そして、今回のサポートメンバーですが、ベースは蜉蝣のkazuさんでした。

私と同年代のバンギャルで蜉蝣の洗礼を受けていない人はいないんじゃないかと思うのですが、私がバンギャルに目覚めたのは二十代前半、しかも、最初はPlastic Treeしか聴いていなかったので、実はあまり蜉蝣を知らないのです。だから、蜉蝣は映像でしか見たことがなく、楽器を弾くkazuさんを生で見たのはaieさんとかと組んでるthe god and death starsでお見かけした時が初めてだったりします。aieさんもヴィジュアル系出身ですが、the god and death starsは音楽的にも外見的にもヴィジュアル系とはちょっと距離を取ったバンドで、映像で見た蜉蝣とはかなり印象の違うkazuさんでした。真緒さんのインタビューでも、今のkazuさんの音楽活動を「玄人な音楽」と表現していますし。もちろん、そんな今のkazuさんもめちゃくちゃカッコいいんですけど。*1

だから、こんな風にヴィジュヴィジュしたヴィジュアル系のライブでアグレッシブな音楽をするkazuさんが見られるのは久しぶりなのではないかと思われます。この日のkazuさんは黒のスーツにダークレッドなシャツをお召で、真緒&美月ほど派手ではないもののメイクもしていました。時々、長いストレートな黒髪をふわ~!っと靡かせながら弾いていてカッコよかったです。そういえば、MCのメンバー紹介の時、関係者席あたりから「kazu~!!」って叫ぶ男性の声が聞こえた気がしたけど、気のせい? 誰だったんだろう。

そして、kazuさんは真緒&美月の関西人トークに少し戸惑っていた雰囲気でした(笑)

【アンコールの時、髪を束ねて出てきたkazuさんを見て】

真緒「会場が熱くなって、kazuさんの髪型がお団子になればキミら(客)の勝ちや」

美月「おしいな~! もっとライブ激しくなれば、きっとお団子二つになんねん」

kazu「……(苦笑)」

みたいな。

 

サポートドラムはex-アヲイのRyoさん。実はあまり知らなくて……ごめんなさい! でも、面白い人でした。メンバー紹介の時とか。

真緒「ドラム、Ryo!」

Ryo「(ピースサイン)」

真緒「今時ピースて(笑)!」

Ryo「いえ~い!(満面の笑みで両手でダブルピース)」

美月「ダブルピースて(笑)! ダッサ~(笑)!」

真緒「それ、キミのパブリックイメージと違くない? 大丈夫なん?」

 

ライブの最後は四人で手をつないでジャンプ。(そういうノリにもkazuさんはちょっと戸惑ってる風で可愛かった……!)客も隣同士手をつないで一緒にジャンプ。私は一人で来ていたのですが、隣の女の子が手をつないで一緒にジャンプしてくれました。隣の女の子ちゃん、ありがとう!

結論:すっごく楽しかったです。

 

まとめ

そんな感じでですね。悔しいけど、The THIRTEENは楽しいです。次のシングルリリースも楽しみだし、ライブも楽しみ。彼らの音が鳴れば体が勝手に反応してしまうのです。くっそ、真緒&美月の作り出す世界のカッコよさと、体に染みついたバンギャル癖が恨めしいんだぜ……!(でも楽しいからいいの)

 

www.youtube.com

 

 

*1:どうでもいいことだけど、以前aieさんがkazuさんのことを「うちのバンドの小雪担当(女優の小雪さんにちょっと似ているという意味)」みたいにと言ったことがあり、私の中ではその日からkazuさんが「小雪さん系微笑み美男子」と認識されている。