2015/5/27 amber gris 解散ライブ 『箱庭の上で ―pray before the down―』@赤坂BLITZ
amber grisの最後のステージを見て参りました。
「素晴らしかった! 楽しかった!」
感想はもうそれだけで十分なのではないかと思います。本当にとても良いライブで、これを境に私の心の奥の小さな宝箱に彼らの記憶をそっとしまっておこうと思うことができるライブでした。
心の奥の小さな宝箱……(照)
なんといいますか、amber grisのことを書こうとすると、どうしても詩的な表現をしたくなってしまうのですよ。つまりはそれくらい素敵なバンドなのだということです。
とはいえ、とこれだけでは記事にならないので当日の出来事と感じたことをメモがわりに記録しておこうと思います。
あと、解散を知ったときの私の気持ちやら、バンドの紹介やら、おすすめ曲やらを別の記事にまとめてあるので、よかったら見てみてください。
ライブ前
仕事があったため、開演の五分前くらいに赤坂BLITZに着いたのですが、結構人が並んでいたのですよ。「まだ列ができてるのか……でも、なんだか派手髪+マスク+黒っぽい服のお兄さんがやたら並んでいるなあ……」と思ってよく見たら、関係者受付を待つ人達の列でした。
スゲー!
こんなに関係者が並んでるの見たことないよ。しかも、ほとんどバンドマンでしょ、これ多分。どれだけ他バンドに愛されているんだamber gris!
そんなバンドマンらしき人達を横目に、一般受付の方はスムーズ入れたので、ちょっと優越感に浸りながらBLITZに入りました。
ライブ中
セットリストは他の方がたくさん書いていると思うので(そして私の記憶力が悪いので)割愛させて頂いて、印象に残ったことを書いていきたいと思います。
赤坂BLITZはキャパシティーが大きいよなあ、大丈夫かなあ、と実はこっそり思っていたのですが、全く不要な心配で、会場はかなりの混雑でした*1。
「不浄の木の下で」や「海風と雨と最後の手紙」は心の奥がじーんと震えました。「over flow girl's sick」なんかはちょっと泣きそうになったですよ。この曲でのフロアの人達の手の動きが大好きです。「不揃いのカトラリー」→「グランギニョル」→「Looking all the pain」の流れも好き。後悔しないよう、思い切り動きました。「ロジィ」が聴けたのも嬉しかったです。露のロータスは大好きな作品なので。
演出として、曲の合間の沈黙の中で「from mouth」のMVに出てくるような白いワンピースを着た女の子がステージに出てきてメンバーに本を渡し、メンバーが詩を読み上げてから曲に入るというものがありました。ライブパフォーマンスという非現実世界の中で、さらにもう一つ異なる世界を現出させるような演出で面白かったです。演劇的だなと感じました。
あと、たぶん「Love in the first.」でのことだったと思うのですが、「声を聞かせて」か何かの歌詞に合わせて手鞠さんがwayneさんの口元に耳を近付けるパフォーマンスをしました。その瞬間、wayneさんが手鞠さんの耳に何かをしたらしく、手鞠さんが驚いたように飛び退いて苦笑しながら耳に手を当てていました。
てまりんに何をしたんや、wayたん!
ライブ終了後物販に並んでいたら、周りの人達が「息を吹きかけたのでは?」「耳に噛みついたのでは?」と噂し合っていました。あの瞬間、何があったのでしょうか。非常に気になります。でも、wayneさんの珍しいお茶目さが垣間見れて幸せでした。
アンコールは2回で、一番最後の曲は当然「wishstar and sunlight and darkness.」。ただただ美しかったです。
最後はメンバーが並んでドラム台に座っているのが可愛らしかった。そんな姿をライブではあまり見られませんから貴重です。wayneさんとkanameさんが「やったな」みたいな感じで挨拶(?)している姿が微笑ましかったです。ツインギター同士の信頼関係って良いですよね。
殊さんは薄桃色のドレス姿が気品があって綺麗だったなあ。貴族やら華族やらのきちんとした教育を受けた貞淑な子女といった風情があります。kanameさんは相も変わらずカッコよく、wayneさんはいつもの不思議な雰囲気で、オレンジ髪になったラミさんは可愛かった。そして、歌っている手鞠さんは美しかったです。神々しさすらある感じに見えました。やっぱり特別なボーカリストなのだと思います。
彼らがステージを去った後は、ファンからの拍手。「wishstar and sunlight and darkness.」はamber grisからの最後のおはなしだとわかるからもうアンコールはなかったのですが、拍手が長く長くずっと鳴りやみませんでした。とても美しい光景でした。
ライブ後
長い物販の列に並んだ後、ライブDVDの予約をし、帰宅。フォトブックが売り切れていたのはかなりのショックでしたが……仕方がない……。仕方がない……(涙)
帰りの電車では一人、ライブの余韻に浸っておりました。
解散ラストライブとはいえ、悲壮感はなくて楽しいライブでした。いつもより感動したし、泣きそうな気持ちになった曲もあったけれど、悲しいから泣くんじゃなくてステージが素晴らしいから泣きそうになったのです。
そして、ライブを経て改めて思ったのは、amber grisの世界観も曲も綺麗だけれど、どうしようもない「濁り」感みたいなものがあるのだなあということです。「清濁併せ呑む」ではないですが、世界や人間の美しい・可愛らしいところの背面に隠れた、汚い・怖いところを内包して飲み下す力強さが、amber grisの楽曲の魅力なのかなと思いました。
とはいえ、amber grisのCDを買ってライブに通ってきた日々を思い出して心に浮かぶのはただ一言。
「楽しかった!」
これが一番の感想だと思います。私はこれからもたくさんamber grisの曲を聞くと思います。大切な楽曲をたくさん作って披露してくれた彼らには感謝の気持ちしかありません。
五人がamber grisであってくれて幸せでした。ありがとうございました。
最後に、ライブ後の手鞠さんのブログ記事が素敵なので引用します。
Pray before the down|消極系男子の取扱説明書
おはなしはこれでおしまい。
さぁ、もうおやすみ
あしたを生きるために。
今日と違う明日がきみを待ってる。手鞠
*1:特に私は扉の近くだったので、開演前は割といい感じの視界でしたが、開演直前・直後に何人かまとまって入って来た人達に圧迫されましてね……(笑) まあまあ、最後のライブですし、ファンが多いのはいいことなのです。ちょっとはステージが見えていましたし、途中からはそれなりに見えるようになりましたので満足しています。