THE STARRY RIFT

ヴィジュアル系バンドや女性・男性アイドルについて気ままに駄弁るブログです。

アイドルのキュートさとロックのカッコよさを両翼に! ひめキュンフルーツ缶のアルバム「情熱、エモーション。~REAL IDOROLL GIFT~」

今回は愛媛の生んだキュートでカッコいい女性アイドルグループ「ひめキュンフルーツ缶」のセカンドアルバム「情熱、エモーション。~REAL IDOROLL GIFT~」の記事を書きたいと思います。

ちょっと話が外れますが、こことのところ記事がV6!V6!V6!みたな感じだったわけで、そもそもそんな風にジャニーズのアイドルに興味を持つきっかけが実はひめキュンフルーツ缶なのです。ヴィジュアル系一辺倒だった私が、知人からももクロを聞くように諭され、ついでにCD屋さんの女性アイドルコーナーで色々と視聴してみた結果、心を射抜かれてしまったのがこのひめキュンフルーツ缶なのでした*1

なんだろうなー。若い女の子のアイドルだから歌に関して拙い部分があるときもあるのですよ。でも、それすら愛おしいというか。アイドルの女の子の歌声があって初めてその楽曲から浮き上がってくる世界が感じられて、一気に惹き込まれてしまいました。

その結果、アイドルって面白い!とジャニーズにまで手を出す羽目になったわけですが……。

新しい世界にドキドキしながら踏み込んでおります。

 

アルバム全体の印象の話

アルバム全体から受けた印象の話をすると、前回のファーストアルバム「Miracle Romance!!」は、アイドルソングとかバンドサウンドの楽曲とかちょっと大人っぽい曲とか色々なテイストを介してひめキュンを紹介するよ的な印象を受けたのですが、今回はアイドルらしいポップでキュートな側面と、ロックテイストとクールな電子音によるカッコいい側面という両翼に絞って(あるいは交差させて)フィーチャーしている印象があります。結果、アルバムとしてグッと引き締まったというか、「ひめキュンフルーツ缶ってこんなアイドルだよ」という強みがわかりやすく伝わる作品なのかなと感じました。これが深化して次の「電撃プリンセス」に繋がるという系譜がよくわかるのです。

 

アルバム収録曲の話

①キミノミライ

テンポの速い尖った雰囲気で、歪んだギターの音が入ったり低めの声によるラップ調の部分があったり、クールな力強い楽曲。歌詞も未来を切り開いていくような強いメッセージを感じます。でも、キャッチ―なメロディーゆえかアイドルらしいキュートさもきちんと感じられるのです。ひめキュンの方向性を示すような、名刺代わりになる一曲目だと思いました。

②色付く蒼葉たち

うって変わって、甘くて切ないアイドルらしいキュートな曲です。特に「Dance dance」とか「Flash flash」とか言葉を繰り返す部分がとても可愛いくてきゅんとするポイント。歌の途中でちらっとラップというか台詞というか、そういう言葉を話す部分が入るも非常に可愛いんですよね。歌詞はアイドルを追いかけるファンのキラキラした気持ちを表現したものでありつつ、アイドルからファンへの気持ちを表現してもいて、心憎いなあと思います。

③GAME OVER

こちらは再び歪んだギターなどが入ったバンドサウンドによるカッコいい曲になっています。結構ラウド系な楽曲ですが、キラキラした打ち込み音が要所要所で入るし、メロディーが可愛い部分もあり、可愛いとカッコイイの絶妙なバランスが取られていると感じます。

バズワード

シングルと違ってイントロに柔らかなギターのアルペジオが入っています。そして「空前絶後に恋をした」のサビを合唱で入るのはやっぱり反則だと思うなあ。この瞬間に可愛いがガツンとくる。

歌詞は疲れた大人がままならない日々とか昔の夢とかを想うというものなので、アイドルっぽくはないのですが、幼さの残る女の子の声でそういう歌を歌われると、得も言われぬ郷愁みたいなものを何故だか感じて、じーんとしまうのです。

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⑤夢見る世界

 ちょっとパンクっぽい感じのするカッコいい曲。歌のメロディーも歌詞も尖ってる感じでカッコいいです。斜に構えたようなかっこよさと若い子ならではの色気があって素敵だと思います!

⑥アンダンテ

シングル曲です。こちらもテンポ速めのロックチューン。ボーカルなしの状態で聞いたら、多分アイドルの曲だとわからないくらいクールなんじゃないでしょうか。打ち込みの飾りもおとなしめだし、歌のメロディーも甘さが少ない感じ。そんなクールなカッコよさと、女の子の甘い声との対比が堪らないと思います。

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⑦カーテンコール

うって変わり、こちらは切ないメロディーが魅力的な楽曲です。でも、歌のメロディーにはしっかりとキャッチーな印象があるのでアイドルらしい曲と言えるかも。なんとなくゴシックというか、聴いていたらドレスっぽい服を着て歌う5人の姿が思い浮かびました。

⑧You stay dream

始まりの「You stay dreamin~」の五人による合唱の部分が澄んでいてきれい。そこからバウンドサウンドが合わさり、元気に弾ける曲となっていきます。可愛くて元気をもらえる曲です。

⑨因果レプリカント

この曲は全体からみると少し異色かも? バンドサウンドを使っていますが、古い冒険ものアニメの少し暗めのエンディング曲っぽいイメージと言って伝わるでしょうか。硬派な曲ですね。歌詞も少し硬い言葉で、それを五人が伸びやかに歌っています。

⑩フリーノート

こちらは可愛く弾けるポップチューン。打ち込みの音主体。歌のメロディーは可愛くてちょっと切ない雰囲気。歌詞も甘酸っぱい恋のお話で、ちょっと切なくてキュンキュンしちゃいますね。

⑪YOU YOU 夢 Vision

こちらは穂乃花ちゃんのソロ曲。曲も歌詞もポップでキュートで聞いてるとにこにこしちゃいます。サビの言葉を繰り返す部分がやっぱりかわいい。歌のメロディー(特にサビ)が高音!

 ⑫キラーチューン

こちらもシングル曲。迫力ある打ち込みのリズム音と歪んだギターの音がカッコいい楽曲で、アイドルらしいキャッチーさもバリバリ含んでおります。少し大人っぽく背伸びしてカッコつけてるようなところがカッコよくもあり、可愛くもあり。そして、ライブで絶対盛り上がるだろう!と思わせる曲。

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前のアルバムに収録されていた「ストロベリーKISS」で「Baby, KISS ねぇ、そんなにキスは甘いの? 甘党な私にはちょうどいい」と歌っていたのに、この曲では「あれも これも 刺激が足りない アイスクリームに乗せちゃえば 愛も 恋も 何でも食べちゃう あんたの愛は何味なの?」と歌っていて、大人になったんだなあ……とちょっと感慨深い気持ちになります(笑)

⑬絶望よ!こんにちは

最後の曲はスローなテンポの優しい歌。バンドサウンドとはいえ穏やかな伴奏で、ロックというよりはフォークっぽい雰囲気の楽曲だと思います。合唱のパートとかを聞いていると、キャンプファイヤーを前に肩を組んで歌っているようなイメージが湧いてきます。

 

そんな感じで、楽しくてカッコよくて可愛いアルバムだなと感じました。

 

その他の話

自分も一応少女だった時代があるわけで、だから女の子というものが甘くて可愛いだけの存在でないことは重々承知しているのですが、それでも、女性アイドルは別格だと思っています。圧倒的に女の子であり、理想の女の子を体現した存在だと思うのです。

歌声とダンスとを通して伝わってくる圧倒的な少女性?イノセンス? あの魅力をなんと呼べばいいのかなあ。

とにかく、少女への憧れを体現した女の子達。私は人形を愛でるように彼女達を愛でてしまいます。

でも、やはり彼女達は人形ではありえず、成長する人間の女の子なのです。ひめキュンで言えば、チャレンジを始めた「Miracle Romance!!」から、自分達の強みを見せつけ始めた今回の「情熱、エモーション。~REAL IDOROLL GIFT~」、さらにそこから進化した「電撃プリンセス」へと着実に自分達の表現の力を増やして世界観を深堀りしていると感じさせられるのです。

女性アイドルにとって成長というのは一つのハードルでもあると思います。少女性は有限で、きっと彼女達は声も外見も心も少しずつ変わっていってしまう。もう年喰った大人になってしまった私は彼女達の有限な少女性をとても貴重だと思っていて、愛おしく思います。

その一方で、彼女達がどんな女性・グループに成長していくのかということにも興味があるのです。インタビューによると、メンバーの脱退が続いた折に運営から「解散するか?」と聞かれても「絶対やめない」「やめた人を後悔させてやろう」と言った彼女達。おそらくひめキュンはAKBグループやモー娘みたいにグループ内でメンバーの世代交代をしないだろうと思っているのですが(※ただの個人的な予想です)、活動を続けた先にどんな未来を見せてくれるのでしょう。

ワクワクドキドキしながら、これからもひめキュンの活動を追っていきたいなと思っています。

*1:その時試聴したのはバズワード(シングル)でした。