2015/12/29 Plastic Tree 2015 年末公演ゆくプラくるプラ~海月リクエストの夕べ~【前編】 生々しさと虚実性の両立した音の世界
どうも。バンギャルなのに女性アイドルとかジャニーズとかにも手を出しているクソッタレDDのフミヅキです。各方面のファンの皆様、石を投げないで……!!
今回はバンギャルらしく、ヴィジュアル系バンドのライブレポート的な記事を書きます。タイミング的に結構遅いんですけども、年末に行ってきたPlastic Treeのライブの感想です。
Plastic Treeの年末公演「ゆくプラくるプラ」は毎年の恒例行事なのですが、私は年末は色々とバタバタしていることもあり、ほとんど参加したことがなかったので、ドキドキワクワクでした。
シングルやアルバムのリリースに併せて行われるツアーとは違い、年末公演の選曲には自由な雰囲気があるような気がします。特に、今回は海月(Plastic Treeのファン)への事前アンケートから曲目を決定するという斬新な構成でした。私は2デイズのうちの前編、結成~2005年までの曲を人気順に披露するという日に参加しました。
会場
会場は東京ドームと同敷地にあるTOKYO DOME CITY HALL。今回はアリーナも全部座席にしての公演でした。私は3階席でしたが、列ごとにかなりの勾配がついてるので背の低い私でも普通のライブハウス形式の会場よりかなり見やすかったです。でも、3階席からだと、かなりステージを見下ろす感じだったので、高所恐怖症の人とかは大丈夫だったのかな?
↓ わかりにくいかもだけど、横から見た断面図はこんな感じ。3階席だと、かなり上から目線なのがお分かり頂けるであろうか。
3階席(座席)
2階席(座席)
ステージ 1階席(座席)
アリーナ(座席)
通常の演出プランであれば観客の頭上を通り過ぎるのであろう照明のレーザー光線が、3階席からだと眼下に見える場面があって、レーザーの薄幕越しに見えるメンバーというのもなかなか神秘的で面白かったです。
あと、どうでもいいことなんですけど、ジャニヲタさんのブログとかを覗いていて、この規模のホールについて「小さめの会場」的な表現がなされているのを見て軽くショックを受けると共に、やっぱジャニーズの地力はスゲーなと思ったりもしました。ヴィジュアル系界隈的にはTDCホールってかなり良い感じの方の会場だと思うので……。(※ただし、LUNA SEAとかのスーパーバンドを除く)
公演内容
この日の公演ではファンへのアンケート結果から、結成~2005年までの曲をベスト10形式で発表しながらの演奏となっていました。
ステージに掲げられた巨大ディスプレイに表示された【第○位 ●●●●】の「●●●●」の部分が、昔の「ザ・ベスト10」*1のように様々な曲名をスライドさせながら、ジャーン!って感じで該当の曲を表示していました。
(いつものごとく、記憶力の悪い私はセットリスト(というか順位)を記憶していないので、セットリストは他のサイト様をご参照ください)
選曲的には、当たり前ですけど、懐かしい曲のオンパレードでもう公演中ずっとじーんとしていました。
曲順は、10位~6位 → 15位~11位 → 5位~1位 と言う感じ。このようになった経緯についてメンバーさん達がMCで話していたので、それについては後述します。
個人的には、ヴィジュアル系にどっぷりハマるきっかけとなった「Sink」を久々に生で聞けたのがすごく嬉しかったです。バラードってわけではなく、しっかりしたバウンドサウンドなんだけれども、この儚くきれいな感じは何なんだろう……! 抽象的な別れの予感・死の予感、でも、その心情には生々しさも感じられるのですよ。体がゾワッとしました。
「冬の海は遊泳禁止で」も久々に聞いたなー! イントロから始まるギターの音が好きなのですが、この音が冷たい感じもしつつ暖かい音で、いい感じですよね。イントロ・Aメロ~抑え気味だった楽器隊と歌が、サビに来て急にドラマチックに展開するのもいい感じ。歌詞の切なさもいい感じ。大好きな曲です。
「サーカス」とか「twice」とか、本当に私の心の琴線というか、懐かしい音の記憶を掘り返してくれました(リアルタイムではなく遡りで聴いた曲もあるけど、遡りで初めて聴いたのもだいぶ昔のことなので)。さすが、海月達の選曲! 間違いないですよ、これは!
そして、今回、特に「おお!」と思わされたのは「ロケット」でした。元々好きな曲ですが、やはり良いなあと再確認しました。
まず、あの独特なギターのリフに耳を惹きつけられます。気持ち悪いような、ちょっと不思議なリフ。そして、それに乗っかってくる、ふんわりしていて淡く溶けていくような歌のメロディーも素敵ですよね。歌詞もかなり抽象的な感じがするのですが、夏の情景と共に、誰かや世の中から置き去りにされているような寂しさと若干の希望?なのだろうか。示唆に富んだ歌詞で、聴いていると想像の翼が広がっていきます。ふわふわと頼りなく漂っているような雰囲気と、ゆっくりと確実に上昇していくような爽快感も併せ持った素敵な曲だと改めて感じました。
この記事(↓)のPlastic Treeのアルバム「剥製」に対する感想でも書いたのですが、
私は「生々しさと虚実性」や「轟音と繊細さ」のように相反するものが両立しているのがPlastic Treeの音楽なのかなと思っています。それはちょっと気持ち悪さを感じる音のように私には聞こえるのですが、同時に、なぜだか心安らぐ心地よい音にも聞こえるのです。なんという矛盾。でも、私はそんなPlastic Treeの音が大好きで、私にはPlastic Treeの音楽が必要なのです。それを再認識したライブでした。
アンコール
曲順:落花→メランコリック→リセット
新しい曲もやりたいということで、2015年のシングル曲を披露した後は、「メランコリック」でした。「メランコリック」は曲中に客が折り畳み(腰を折り曲げながら頭部を前後に振る動作)をするのですが、席の勾配があるからちょっと怖かったです。でも楽しかった!
最後の曲は年末なので、
竜太朗「いや~なことは全部~???」
客「リセット~ \(^o^)/」
ということで、「リセット」で閉め。非常にパンキッシュな感じの曲なんですけど、なんかこの曲で2015年の穢れが祓われたというか、年越し蕎麦を食べた感じというか、そういう充足感がありました。一足先に大晦日を迎えた感じ。
MCなど
※だいたいの雰囲気で書いてるので、正確じゃないと思う。ごめん。
「ザ・ベストテン」的に、順位・曲目の発表→演奏という形式で10位から6位までの曲を演奏した後、MCに突入。
正「ベスト10だけだとライブ構成的にちょっと物足りないので、15位~11位もやることにしました」
会場「わ~!!!!(盛り上がる)」
竜太朗「それ提案したの、俺です」
会場「(賞賛の拍手)」
竜太朗「(ちょっと得意げにお辞儀)」
その様子を正さんは横でにこにこ見ている様子でしたが……。何回目かのMCではこんな話になります。
竜太朗「本当は11位~15位をやろうと提案した正くんなのに。あれは冗談で言って、てっきり反論してくると思ったら、そのまま流しちゃうから……」
正「バンドで決めたことなんだから、いいんだよ(にこり)」
正さん……!
やっぱり、スーパーリーダーだ!
あの細い体のどこにこの大きな包容力が隠されているのかが不思議です。正さんの周りには穏やかな空気が流れていると思う。
今回特効でおみくじの紙(メンバー直筆のものらしいが、私は取れなかった)を会場に撒き散らしていたことに関連して、昔、アキラさんが特効で酷い目に遭ったことの話に。
アキラ「今回、特効あること忘れてたわ」
竜太朗「昔もハプニングあったね」
アキラ「そう。特効の目の前に立ってて、銀テープがきれいに客側に飛び散るはずが、俺に『グルグルグルッ』て。映像にあると思う。そこからスタッフの説明をきちんと聞くようになりました」
一つ成長したアキラさん。(なのに今回、忘れていたの……!?)
アンコールはメンバーの投票(?)で決めたとのこと。曲紹介するとき、本編のような発表映像がないため、竜太朗さんが口頭で発表しました。その時の会話。
竜太朗「(ケンケンさんに向きながら)発表するからドラムロールやって」
ケンケン「?」
竜太朗「ドゥルルルルル・・・・・・ジャーン! みたいなやつ」
ケンケン「??」
アキラ「そういうことは事前に打ち合わせしとけよ~」
どうにか伝わって、無事ドラムロールしてました。何故「ドラムロール」で伝わらなかったんだろう……? でも、MCで話している様子を見ると、ケンケンさんはだいぶお疲れモードだったような印象がありました。そりゃそうだな。本編は全部ケンケン氏在籍前の曲ですもの。準備も覚えるのも大変だったでしょうね。
最後の「リセット」のMCでは
竜太朗「いや~なことは全部~???」 → 客「リセット~ \(^o^)/」
的なやり取りを何回か繰り返したのですが、
竜太朗「大好きだったバンドも~?」
客「リセット~ \(^o^)/」
竜太朗「ごめん、そこはリセットしないで!」
となり、蹲るような動作を見せる竜太朗さん。自分で振ったのに(笑)
そんな感じのMCでした。伝わっただろうか……。
しかし、何よりすごかったのは「土曜プラトゥリ劇場」でしょう。
本編終了~アンコールの幕間等に上映される、プラのメンバー+αが出演する本格ミステリードラマ(?)で、既に何作も製作されています。内容は江戸川乱歩っぽい世界観のものとか色々。見どころは、メンバーの下手な……じゃなかった、独特の雰囲気のある演技ですかね……? (あと、共演者は普通にちゃんと演技する人だったりする)
今回は、2時間ドラマでも定番の弁護士ものでした。
アキラさん扮する酔っぱらい弁護士・十文字(ただし、裁判で勝ったことは無い)が、有罪はほぼ確定と見られている殺人事件の弁護を担当し、無罪を獲得するストーリー(なのではないかな?)。
まず、アキラさんの熱演がすごい。顔を酔っぱらいっぽく赤く塗って、額にはネクタイを巻き、手には一升瓶。常に呂律が回らず、千鳥足で、弁護士の見習いの人に支えられてやっと席に着けるというコント仕様の演技でした。
……。
えっと……年相応に少しずつイメチェンしてきてはいるけど、一応、ヴィジュアル系の方ですよね?
そんな年中酔っぱらいな十文字先生が担当する事件ですが、うまいことやって大企業の老齢の社長(会長だっけ?)と結婚した女性(前科者らしい)が夫の金を使いまくり、挙句は夫に暴力すら振るうという悪女なのですが、ある日、口論となり夫を殺してしまった……というもの。この悪女は夫殺害を認めていますが、殺害方法については明確に供述していません。何か秘密があるのかも???
この悪女を演じるのが、土曜プラトゥリ劇場ではお馴染みのドラァグクイーン、オナン・スペルマーメイドさんです。存在感が半端ねえ!
そんなオナンさんの健気な妹が弁護士・アキラさんの元を訪れ、姉の無罪を訴えるのですが、その妹を演じているのが……竜太朗さん……!!
女装です。しかも、物凄い美人さんです。頭にはたくさんの飾りがついた桃色と白の帽子、衣装は同色のロリータ風(というよりエレガントな感じの)ドレス。憂いを含んだ目元の美しさが半端ない。確かに若干ですが肩の辺りがゴツイような気もするけど、デコルテや鎖骨のラインはきれい。中村明日美子さんのゴシック系漫画に出てくる美少女みたいな感じでした。美しい……。
私、思わず「ふええええええ!」って声に出してました。会場もそんな感じ。
あと、この裁判を担当するエリート検事を演じるのが正さん。竜太朗さん演じる妹さんのボディーガードと裁判長の二役をケンケンさん。
役柄上、アキラさんと正さんを一目惚れさせる竜太朗さんですが、その美貌に説得力がありすぎました。恐ろしい。
で、内容なんですけど、殺害があった日に何があったのか?ということを裁判で明らかにしていく中で、その日、竜太朗さんがオナンさんの後を追って何かを目撃したらしい……というところで終了。
会場は大ブーイングです。
会場「え~!!!!」
アンコールの頭が観客の「え~!」という声で、メンバーは「出づらい……」と言っていました(笑)
正「続きは明日です。内容は明日来る人に教えてもらってね……」
竜太朗「(「可愛かった!」と会場から言われて)悪い気はしない! ウソです……(照れてるっぽい)」
アキラ「(自分自身は)あんなに酔っぱらったことはないけど、演技としてはあれくらいやらないとね」
竜太朗「(会場からのDVD化希望の声に)それはビクターさんの方針によるから……。それに、あんな映像(女装)が世に出たらマズイよ! ウィキペディアに女装が趣味って書かれてしまう……」
そんな感じの「土曜プラトゥリ劇場」、とても面白かったです。
蛇足だけど
終演後、外に出ると、寒い中でバンドマンさん達がビラ(ライブとかリリースとかの告知が書かれている)を配っていました。お疲れ様です。私は差し出されたものは受取るようにしています。受取った中に見たことのあるバンドのビラがあったりすると、「お!」と嬉しくなりますよね。「がんばってるんだな、見に行ってみようかな」という気持ちにもなります。
(たまにフル衣装フルメイクで配っている方もいるのですが、私服・すっぴん(マスク着用)な感じで配っている方も多いため、ビラを受け取るまでどこのバンドの誰さんかわからないことが私は多いのです。いや、誰かわかったとろこで、コミュ障な私が話し掛けることはないんですけど(笑))
そして、私、かなり地味な格好をしてライブ行くせいか(そもそもの雰囲気からして芋っぽいのか? つーか、おばはん過ぎるのか?)、たまにビラ配りのバンドマンさんにスルーされることがあるんですけど、それちょっと寂しい気持ちになるのでビラください! ちゃんと受取りますので!! これでも私、ライブ帰りなんですよ~!!(>_<)
*1:その昔、黒柳さんと久米さんが司会していた音楽番組。確かあの番組はディスプレイじゃなくて、板(?)がパタパタして変わる感じのはずだけど。あ、さすがにリアルタイムではないです。